「将棋の天童」、知名度向上へ新たな一手 市が駒形ポストやベンチ製作

新たに設置された将棋型ベンチ。2人がけには将棋盤が付き、対局を楽しめる=天童市

 天童市は、将棋駒にちなんだ新たなアイデア作品の案を市民から募り、郵便ポストとベンチを製作した。市内には将棋にちなんだものがあふれているが、メディアで取り上げられるのは「橋の欄干に飾られた将棋駒のオブジェ」や「歩道の詰め将棋」などにほぼ固定化され、目新しさがなくなっていた。市は、こうした取り組みが話題性と知名度アップにつながることを期待している。

 2023年度の市制施行65周年に合わせた事業の一環。22年8月1日~12月30日の間、市外から通学する高校生を含む市民を対象にアイデアを募り、92人から127件が寄せられた。23年3月に審査会を開き、計4件の応募があった郵便ポストと、計9件あったベンチを採用した。

 郵便ポスト1基はJR天童駅東口広場に設置された。ポストの上部に駒のオブジェを載せた従来のタイプとは趣向を変え、ポスト自体を駒の形にした。高さ148センチ、幅115センチ、奥行き79センチで、正面に「将棋のまち天童」、裏面に「王将」の文字を入れた。

 新たに誕生したベンチは3基で、1基を将棋盤付きの2人がけ、2基を3人がけとした。高さ85センチ(座面までは40センチ)、幅152センチ、奥行き59センチで、背もたれが駒の形をしているのが特徴だ。表面には県産スギ材を用い、家具メーカー・天童木工(天童市)が成形合板技術を活用して仕上げた。将棋駒とのセットで市森林情報館もり~な天童(道の駅天童温泉内)に置き、施設利用者から将棋に触れてもらう。

 市商工観光課は「市民や観光客の皆さんにぜひ、SNS(交流サイト)などで情報発信していただきたい」と話した。

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