大谷翔平に大ブーイングも…水原問題で「格好の標的」 A・ロドリゲスも味わった洗礼

ブーイングを浴びるかもしれない大谷翔平

ドジャースの大谷翔平投手(29)が史上最凶クラスの逆風にさらされるかもしれない。新天地のドジャースで順調なスタートを切った一方、元通訳・水原一平氏(39)による巨額の窃盗疑惑で人生初の金銭スキャンダルに巻き込まれた。誰からも愛されるクリーンなイメージに〝汚点〟がついた。さらに、FA交渉の渦中で名前の挙がった球団のファンの反発も予想される。MLBの顔が敵地で容赦ないブーイングを浴びせられる可能性もあるという。

ドジャー・ブルーのユニホームを身にまとった大谷が本格的に敵地へ進出する。チームは先月28日(日本時間29日)に本拠地開幕を迎え、3日(同4日)まではホームのドジャー・スタジアムで7連戦。昨季MVP男の加入に球場内は沸き返り、大谷が打席に立つたびにスタンディングオベーションが自然発生している。

そして5日(同6日)にリグリー・フィールドで行われるカブス戦を皮切りに、ビジター球場での6連戦に突入する。ドジャースファンにはすっかり受け入れられているが、敵地ではその様相が一変する可能性もあるという。

ア・リーグスカウトの一人が「オオタニは誰からも愛されるクールな男だ。しかし、イッペイの一件で初めてダーティーなイメージもつけられた。騒動の真相はさて置き、ビジターのファンからは格好の標的されるかもしれない」と言えば、別のMLB関係者も「オオタニがスーパープレーヤーであればあるほど〝やっかみ〟も生まれる。かつてのボンズやA・ロッドのようなことのようにならないとも限らない」と語った。

パイレーツやジャイアンツでプレーしたバリー・ボンズはMLB史上最多の762本塁打を記録。だが、禁止薬物の使用疑惑が持ち上がると前代未聞の暴風が吹き荒れた。敵地では「ステロイド」コールが巻き起こり、ボンズの本塁打を参考記録とやゆする「*」のマークや注射器が描かれたボードが掲げられるなど、かつてない光景が繰り広げられた。

また「5ツールプレーヤー」の異名をとったスーパースター選手のアレックス・ロドリゲスも、修羅場を味わった。2001年に10年総額2億5200万ドルという当時のスポーツ界最高年俸でマリナーズからレンジャーズに移籍。するとマリナーズの本拠地で打席に立てば、古巣のファンから「マネー、マネー!」といった怒号交じりの大ブーイングを浴びせられただけでなく、札束のオモチャまでバラまかれる異常事態となった。

大谷の相棒だった水原氏に違法賭博と不正送金の疑いが浮上したのは、大谷が出場した韓国での開幕シリーズ直後。当地ではスーパースターとして受け入れられ、本拠地開幕前に行われたエンゼルスとのオープン戦でも古巣ファンから熱烈な歓迎と祝福を受けた。ただ、完全アウェーも予想される別の敵本拠地となれば未知数だ。

さらに、FA交渉の過程で米メディアが有力候補に挙げた球団のファンは大いなる期待を持っただけに、失望が怒りや憎しみに変わるケースもある。

もっとも「全てを覆してきたオオタニであれば、そうした枠をも越えてどこでも受け入れられるかもしれない」とみるMLB関係者も少なくない。敵地の反応が見ものとなりそうだ。

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