「もったいないよ!」 今冬に生産終了したスティック菓子が企画初の満点!? 日本の菓子をアメリカ在住女性が食べてみた

日本のお菓子を試食してくれたアメリカ在住カナダ人のアリッサ(左)と、シンガポール人のジョリン【写真:荒木優里】

日本のお菓子を海外でお土産として渡すと喜ばれるという話を聞きますが、本当なのでしょうか。夫の転勤でアメリカのフィラデルフィアへ移住し、現在はニューヨーク在住のフリーアナウンサー・荒木優里さんが、日本との違いをリポートするこの連載。今回は、現地に住む外国人に、日本でおなじみの人気スティック菓子を食べてもらいました。どんな反応が返ってきたのでしょうか。(今回試食したお菓子はすべてアメリカ内で販売されているものであり、製造国が日本販売のお菓子とは異なる場合があります)

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真冬の寒さが厳しいニューヨークにも少しずつ春の足音が

東京より寒いニューヨークでも、3月半ば頃から日差しの温もりを感じられる暖かい日が増えてきました。真冬のような寒さの日と、暖かな日が行ったり来たり。

一日ごとの気温の変化に対応するのは大変ですが、春がもうすぐそこまでやってきていると感じられるのは、うれしくもあります。冬はどんよりとした曇り空が多かったので、ポカポカ陽気のもとでピクニックをするのが待ち遠しいですね。

ピクニックに欠かせないものといえば、簡単につまめるお菓子です。今回のテーマは、「日本のお菓子に対する外国人の反応は? ~スティック菓子編~」。

アメリカ在住カナダ人のアリッサと、シンガポール人のジョリンに、日本でおなじみのスティック菓子を試食してもらい、率直な感想を聞きました。10点満点で採点してもらいます。

ラインナップは「ポッキー チョコレート」「ポッキー いちご」「ポッキー<極細>」「プリッツ<旨サラダ>」「トッポ」「フラン ダブルショコラ」の6種類。すべてニューヨークの日本食スーパーマーケットで購入したものです。

1品目は世界30か国以上で展開されるポッキー

まず試食してもらったのは、「ポッキー チョコレート」。ポッキーのなかでもスタンダードなタイプです。

スティック菓子のなかでも抜群の知名度を誇るポッキーは、海外展開にも力を入れており、アジアを中心に30か国以上で販売されています。そのため、シンガポール人のジョリンは以前、食べたことがあるそうです。

「ポッキー チョコレート」を試食中のふたり【写真:荒木優里】

アリッサは「手を汚さずに食べられて、おいしいよ!」となかなかの好感触。ところが、食べた経験のあるジョリンはひとくち目で違和感を覚えたようで、すぐに「何か違う気がする!」と指摘しました。

パッケージを確認してみると、意外な事実が判明。このとき食べたのは、インドネシアで製造されたものだったのです。ジョリンは、「日本製のものを食べたことがあるから、このチョコレートが少し安っぽく感じてしまうなあ。前に食べたときのほうがおいしかった気がする!」と感想を語っています。

気になるスコアは、アリッサが8点、ジョリンが6点。この点数を基準に、これから残り5つのお菓子を比較してもらいます。

2品目は甘酸っぱい味がたまらないイチゴ味のポッキー

続いては、「ポッキー いちご」。パッケージを開けた瞬間に「もう香りがするね!」と、ふたりとも香りに反応しました。

試食してみると、アリッサは「ちょっと人工的な味と香りかなぁ」といまいちな様子。「幼い頃は好きな味だったと思うけど、大人になった今では微妙に感じるかなぁ」と話します。

ジョリンも「確かに、香りが人工的な感じがするよね。イチゴ味のチョコレート部分は、本物のイチゴよりもだいぶミルキーで、子どもは好きそう!」と、ともに子ども向けの味だと感じたようです。

アリッサは6点、ジョリンは4点と、定番の「ポッキー チョコレート」よりも厳しい点数となりました。

ポッキー2種類の太さを比較するふたり【写真:荒木優里】

3品目は歯ごたえが特徴の極細ポッキー

次は、「ポッキー<極細>」。まずは、これまでの2つの商品と見比べて、その細さに驚きいたようです。

アリッサは「パッケージの開けやすさがいいよね! 中身も2袋に分かれていて、一本一本が細いから本数も多く入っているので、みんなでシェアしやすい」と、利便性が気に入った様子。また、味も「プレッツェルがとてもクリスピーでおいしい!」と絶賛しました。

ジョリンも「このバランスはいいね! チョコレートも甘すぎず、深みがあっておいしい!」と味わいに満足。パッケージを確認すると、なんとこちらは日本で製造されたものでした。「日本製だと思った!」と納得の様子です。

ふたりのいい反応通り、気になる点数はアリッサ、ジョリンともに8点という結果に。

4品目はチョコが使われていないお菓子・プリッツ

続いては、「プリッツ<旨サラダ>」。今回、試食したなかでは唯一の、チョコを使用していないお菓子です。日本では、サラダ味といえば塩の効いたさっぱりした味を思い浮かべますが、ふたりは知らなかったようで、アリッサは「これってチーズ味?」と質問。ジョリンも「ピザ味と似ている気がする!」と、実際に食べてみても、なんの味かよくわからなかったようです。

野菜のブイヨンが使用されていることを説明すると、とても驚いていました。アリッサは「何味か難しかったけど、おいしいよ!」と好感触。ジョリンは「甘いお菓子のほうが基本的には好きだけど、このテイストはいいね!」と口に合ったようでした。

その結果、アリッサは8.5点とここまでで最高得点。ジョリンは8点と、ともに高評価でした。

5品目は中心にチョコレートが入っているトッポ

次は、ポッキーのようにチョコレートが表面にかかっているタイプではなく、中に入っているお菓子の「トッポ」です。

「ポッキーよりもチョコレートの量は多そうに見えるけど、あまりチョコレート感がないね」とアリッサ。ジョリンは「端までびっしりとチョコレートが詰まっているデザインはいいと思うんだけど、これはあまり好みではないかな」と、見た目の良さは評価しつつも、先ほどよりも手が進まない様子です。

アリッサ、ジョリンともに5点という厳しめの点数をつけました。

最後はチョコレートがたっぷりかかったフラン

最後に試食したのは、「フラン ダブルショコラ」。袋から取り出すと「こんなに大きいの!?」と、その太さや、コーティングされているチョコレートの厚みにふたりとも驚いていました。

また、味にも満足したようで、アリッサは「ビターすぎずおいしい! これでホットチョコレートを混ぜたいなあ! 食べる前は1袋に3本は少ないと思ったけど、食べてみると十分な満足感だね!」とにっこり。

ジョリンも「ダブルチョコレートがいい味わいなんだと思う! 以前、食べたことがあるメルティーキッス(冬季限定の定番商品)に似ていて好き!」と、ふたりとも好みに合ったようです。

日本では、「フラン ダブルショコラ」がこの冬に生産終了してしまったと伝えると、「え? どうして!? もったいないよ!」とびっくり。日本のファン同様、ふたりも生産終了を惜しんでいました。

大絶賛された「フラン(ダブルショコラ)」の採点は、アリッサ、ジョリンともになんと10点満点でした!

今回、初の(?)10点満点が飛び出した記念に【写真:荒木優里】

結果、ふたりのベストスナックは「フラン(ダブルショコラ)」という結果になりました。そろって文句なしの満点が出るとは、うれしいですね。

日本人が気づかない、アメリカ在住外国人女性ふたりの視点に驚き

すべてを食べ終えての感想を聞いたところ、「日本のスティック菓子は、手やその場を汚さずにきれいに食べられるのがいいね」と、ふたりとも食べやすさに感動した様子。小腹が空いたときに食べるボリューミーなスナック菓子というよりは、「デザートのような感覚のお菓子なのかな」と話していました。

アメリカの日本食スーパーで販売されている商品のなかには、日本の製品でありながら、製造国が日本ではないものもあるようです。試食の段階で、その違いに気づいたことにも驚きでした。

また、日本製の商品パッケージは「開けやすい」との評価も。私たちが当たり前に感じていた技術が、世界的に見たらとても素晴らしいということを再認識するきっかけになりました。

荒木 優里(あらき・ゆり)
米ニューヨーク州在住のフリーアナウンサー。慶應義塾大学を卒業後、KSB瀬戸内海放送、テレビ埼玉で局アナとして勤務し、報道番組のキャスターや情報番組の中継リポーターなどを担当。2022年夏に渡米し、現在は初めて体験する海外生活での奮闘ぶりを日々発信中。

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