街路樹の枝を直角カット、大型トラックがシンデレラフィット 丹波篠山で見つけた珍景

細かな枝葉の手入れが積み重なり、シルエットに直角な部分ができた街路樹=丹波篠山市和田

 篠山川沿いの道路に続く並木。茂った1本に目をやると、木の中央あたりで枝葉が「カックン」。直角を描いてアーケードのように上側が車道に出ている。大型トラックが通ると荷台の隅が直角部分にシンデレラフィットした。この様相、あまりにエッジが効いていない?(秋山亮太)

 街路樹は兵庫県丹波篠山市和田地区を東西に走る一般県道「篠山京丹波線」に並ぶ。木全体はこんもりと茂っているが、車道に面した側の一部だけ削り取られたように枝葉が少ない。少し離れ、道路と並行方向から見ると途中から直角に木が飛び出たような姿をしている。

 県丹波土木事務所道路第2課によると、一帯の木はケヤキといい、10メートル間隔で北側の歩道に沿うように立っている。

 周辺は植樹が多く、4年に一度ほどの頻度で剪定(せんてい)をしているという。では直角のシルエットは、庭木のマツを整えるような遊び心であえて角を作ったのだろうか。淡い期待を抱いて質問を投げたが、さすがに考えすぎ。「意図したものではないと思う」と担当者から告げられてしまった。

 ただ自然発生したものでもなく、「道路パトロールの際、車の走行に影響しそうな枝葉を都度切っていることが要因かもしれない」とのこと。大型の車両も通るため、考慮した高さまではよく切られ、それより高い場所は伸びていく。「細かな配慮による作業の積み重ねが、特徴的な形をつくったのではないか」と担当者は推察した。

 ちなみに撮影した並木の手前は、2023年度にばっさりと枝葉が落とされている。直角並木の部分は「大規模な剪定は予算などをみて実施するので時期はまだ未定」というが、近い将来には切られる機会が訪れそう。

 とはいえ、整えられた木を見る限り、枝が伸びきるのはしばらく先。再び今のような姿になるのかも分からない。諸行無常。珍奇な光景とまた出合えることを願い、最後にもう一度シャッターを切った。

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