日立風流物 山車組み立て開始 さくらまつりへ準備 茨城

組み立てが始まった日立風流物の山車=日立市若葉町

茨城県日立市の「日立さくらまつり」(6、7両日)を前に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産「日立風流物」の山車の組み立てが3日、会場の平和通り沿いで始まった。日立郷土芸能保存会員らは5年ぶりの公開へ「いよいよ始まる」と気合を入れた。作業は5日まで続く。

今回担当する同会北町支部の山車は、国の重要有形民俗文化財。風流物の公開のたびに山車の組み立てと解体を行う。この日は会員や職人ら約50人が集まり、丸太を削り出した直径1メートルほどの車輪と、カシの木の車軸を組み合わせる作業から取りかかった。

高さ15メートル、重さ5トンの山車は金物をほぼ使わない木組みの造り。車軸の上に乗せる土台は、舞台を回転させるため上下二つの枠を芯棒でつなぐ仕組みで、会員らは水平に設置できているかなどを確認しながら慎重に作業を進めた。

雨の中でも作業を続け、同日のうちに骨組みは完成。山車の上部には、からくり人形芝居の舞台となる5層の屋形や、会員が採取した藤づるに布をかぶせて作る「岩山」も取り付けた。沿道では作業風景に足を止めて見入る市民らの姿も見られた。

鈴木司支部長は「何度見てもこの山車の迫力には圧倒される。最高のお祭りにしたい」と笑顔で語った。

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