青井実「大逆風」藤井貴彦「らしさ」石井亮次「陣地拡大」宮根誠司「嫌われ」羽鳥慎一「一強」5大キャスターの現在地

青井実キャスター ※画像は『Live News イット!』の公式X(ツイッター)『@livenews_it』より

新年度を迎え、情報番組やワイドショーの中には大幅リニューアルを敢行したものもあった。そして、それらの番組ではフリーの男性キャスターたちがしのぎを削っている――。

中でも注目を集めているのがフジテレビの夕方の報道・情報番組『Live News イット!』だろう。

放送6年目に突入する『イット!』は4月1日から大幅リニューアルを敢行。2月にNHKを退局した青井実(43)をMCに迎え、フジテレビの宮司愛海アナ(32)は続投。パックンマックンのパックンことパトリック・ハーラン(53)が「スペシャルキャスター」として週3日レギュラー出演している。

「『イット!』の新キャスターに就任した青井さんですが、就任前に味噌をつけてしまった。それは、NHKアナウンサー時代に、上司の許可を得ずに親族企業からの役員報酬を得ていたとして、兼職を禁止する服務準則に基づいて厳重注意処分を受けていたことが報じられたことですよね。

報酬は全額返却し、役員も退任したということですが、この一件に加え、さらに1月18日に担当していた夜の報道番組『ニュースウオッチ9』(NHK総合)を突如として降板した件もあり、視聴者に不信感を抱かれてしまいましたね。青井さん自身、3月22日の『イット!』のリニューアル発表会見で、番組降板の件や役員報酬の件で騒がせたことを謝罪していました」(制作会社関係者)

青井アナが『イット!』のMCに就任すると発表された際には、《何故あんな人をフジは抜擢したのか不思議でした イットはいい番組だと思っていましたがこのままでは イットは見ません》など、厳しい意見がXにも多く上がってしまったのだが、そんな青井アナの初回出演となった4月1日17時48分からの同番組の世帯視聴率は前週の4.3%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)から0.6ポイントアップの4.9%となったのだ。

「数字は上昇しましたが、初回のご祝儀的な視聴率とも言えそうです。NHKを辞めてフリーになって、いろいろ報じられていた青井さんがどんな司会をするのか、番組はどこまで変わったのか、そういった目で見た視聴者も多かったはず。今後、この数字を下げずに、より上げていけるか――『イット!』は、主要民放キー局の夕方ニュースで最下位の視聴率なので、MCの青井さんには“結果”も問われてきますよね」(前同)

■青井MC就任の『イット!』には賛否の声

『イット!』を見た人からは、

《イットはニュースの本数が多いうえに、青井アナの明るい声とてきぱきした進行で番組に活気が出て来ましたね。応援してます》
《元NHKの青井アナ投入で『LiveNewsイット』のスタジオと報道センターを一体化させることでどの局よりも早くニュース届けようという力強さを感じる》

といった評価する声がある一方で、

《何故かNHK感あるし、違和感がありな感じだな、、、いずれ慣れるのかな》
《夕方のニュースはフジTVだった。宮地、榎並両キャスターが好きだったので。。今日から元NHKの青井アナがメイン。私この人のやけに甲高い声が苦手かも。。暫く放浪だな》

などの否定的な意見も寄せられている。

「青井さんが『イット!』に定着するまでにはまだまだ時間がかかりそうですね。その青井さんと同じようにこの春、フリーに転身したのが藤井貴彦さん(52)ですよね」(同)

■フリー転身の藤井貴彦は夕方から夜の顔に

長年にわたって日本テレビの夕方の情報・報道番組『news every.』(日本テレビ系)のMCを務めてきた藤井が3月をもって同局から退社。フリーアナウンサーとして有働由美子(55)が卒業した同局の夜の報道番組『news zero』のMCに就任した。

藤井にとって初回となった4月1日の『news zero』では、嵐の櫻井翔(42)とともに能登半島地震の被災地から中継で出演。

番組冒頭、藤井は「こんばんは、今夜は私も櫻井さんもスタジオではなく、能登半島地震の被災地からお伝えしてまいります」と挨拶し、「今日から『news zero』でニュースをお伝えすることになりましたが、そんな自己紹介よりももっと大切なニュースを櫻井さんと一緒に中継でお伝えしてまいります」とコメントした。

「『news every.』では、コロナ禍での“命より大切な食事会、パーティはございません”といった言葉が視聴者から絶大な支持を集めた藤井さんですが、『news zero』でも自分の言葉で伝えるという強い意思がうかがえ、初回から“らしさ全開”でしたね」(前出の制作会社関係者)

藤井が加入した『news zero』を見た人からは、

《私の中でナンバーワンのアナウンサー藤井さんが news zeroに every.の頃から藤井アナから発せられる言葉にもの凄い耳を傾ける自分がいるんだけど、それは番組が変わっても変わらず。安心感もあって大好きです》
《藤井アナがnews zeroをやるようになったのか〜。有働さんも良かったけど藤井アナもいいな。なんだか安心感があるな。やっぱりベテランだなあ》
《何か藤井アナがZEROで声聞けるの新鮮 いつも、木原さん〜そらジローーて呼びかけてたからw笑》

などのコメントが寄せられており、おおむね好評のようだ。

■『ゴゴスマ』11年目で名古屋地区個人視聴率トップに

午後のワイドショーでは、石井亮次(47)がMCを務める『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ・TBS系)と、宮根誠司(60)がMCを務める『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ・日本テレビ系)がしのぎを削っている。

4月1日には『ゴゴスマ』が制作を担当するCBCテレビのある名古屋地区で、2023年度の個人平均視聴率で初の年度トップを獲得したことが明らかになった。番組開始11年目で達成となり、同番組の名古屋地区の2023年度個人平均視聴率は2.1%だった。

「ホームではありますが、11年やってきて初のトップ。番組は着実にファンを増やしていると言え、石井さんも嬉しいでしょうね。CBCテレビの局アナからフリーに転身し、今や全国区になった石井さん。昨年4月に2代目MCに就任した『世界ふしぎ発見!』(TBS系)こそ3月末で終わってしまいましたが、全国ネットのテレビでもよく顔を見るようになりました。大阪でも2本のレギュラー番組を持っていますね。

3月26日には劇団ひとりさん(47)とともにMCを務めた『THEワールドワイドショー 世界の毒女SP』(カンテレ・フジテレビ系)が放送されましたが、好評ならシリーズ化、レギュラー化という展開も望めそうですね」(前同)

■「タバコNG区域での喫煙&不遜謝罪」で炎上の宮根誠司

午後のワイドショーで長年、トップの世帯視聴率を取ってきた『ミヤネ屋』だが、MCの宮根が炎上してしまったことも記憶に新しい。

3月20日に韓国・ソウルでMLBが開幕。大谷翔平選手(29)と山本由伸選手(25)が所属するロサンゼルス・ドジャースと、ダルビッシュ有選手(37)と松井裕樹選手(28)が所属するサンディエゴ・パドレスの試合の取材のため、宮根は韓国を訪れていた。

その韓国で喫煙が禁止されているエリアで宮根が電子タバコを吸う様子を撮影した動画がX(旧ツイッター)で拡散されて炎上。

翌3月21日の『ミヤネ屋』の冒頭、宮根は「まずは私のほうから謝罪をさせていただきます。昨日、ソウルでメジャーリーグの取材をした際にタバコを吸ってはいけない地域で電子タバコを吸ってしまいました」「周りの方々、それから多くの方々にご不快な思い、ご迷惑をおかけしました。大変申し訳ございませんでした」と頭を下げた。

宮根はこのときにスタジオの机に手をついて大きく広げたまま頭を下げたのだが、謝罪と言いつつも反省していないような不遜な態度に見えてしまったことで、

《謝罪する時もテーブルの上に手をついてたら誠意が見えないし 謝罪の気持ちなんてないんだろうなぁ 視聴者をバカにしてるんだろうなぁ》
《テーブルの上に手を置いて謝罪か。お前、反省してないやろ》
《終始テーブルに手をついた状態 本人納得いってないけどしゃーない感》

とさらなる視聴者の怒りを買ってしまった。

「宮根さんが謝罪でさらに炎上してしまったのは、日頃から“偉そう”だというイメージを持たれがちという理由もあるでしょうね。石井さんは柔和で丁寧、他人を否定しないといった空気感をまとっていますが、ちゃきちゃきした宮根さんは、上から目線なコメントもあり、反感を持ってしまう人もいるんでしょうね」(民放キー局関係者)

■『羽鳥慎一モーニングショー』世帯12%で同時間帯断トツトップ

そして男性キャスターで忘れてはいけない存在が羽鳥慎一(53)だろう。

2015年10月から『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)のMCを担当しており、以前として安定的な人気を誇っている。

「4月1日からアシスタントが森山みなみアナ(25)から入社1年目の松岡朱里アナ(22)に変わりましたが、番組の回しをやっているのは基本的に羽鳥さんですから、番組自体が大きく変わったわけではありません。そして炎上発言もままある玉川徹氏(61)のコメントも、その毒を消すことなくしっかりといなしてコントロールをしている。相変わらず“すごい”と思わせる司会ぶりですよね」(前同)

『モーニングショー』の世帯視聴率は約12%と、同時間帯断トツのトップを誇っている。

「視聴者を分析してみるとシニア層がその中心ですが、朝のこの時間帯にテレビをつけているのはそういう世代がほとんどですからね。そこで圧勝しているんです。日テレの『ZIP!』は人気と好感度抜群の水卜麻美アナ(36)が担当。現在は8時台も放送していますが、その『ZIP!』の世帯視聴率は6%ほど。『モーニングショー』の半分しか取れていないんです。

世帯視聴率はテレ朝が圧勝状態で、近年はよりその傾向が強まっています。まさに午前中は羽鳥さんの独壇場ですよ」(同)

帯番組のMCを長年務めれば億万長者になれると言われてきたキャスター界。青井、藤井がフリーになって参戦してきたことで、仕事争奪戦はさらに激化していきそうだ。

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