駅前移転の朝市盛況 「乙供市日」(青森・東北町) 町のにぎわい創出事業活用

多くの買い物客でにぎわった乙供市日

 青森県東北町は4月から、青い森鉄道乙供駅前と上北町駅前の町有地を活用し、民間と協力して町の活性化を図る「駅前にぎわいパートナー事業」をスタートさせた。事業初日の1日には、乙供駅前で地元業者らによる朝市「乙供市日」が開かれ、海産物や花などを買い求める多くの客でにぎわった。

 同事業は普段使われることが少ない両駅前の町有地を、「駅前にぎわいパートナー」に登録した町民や町内の事業者、団体に無料で使ってもらい、イベントを開催。町の玄関口である駅前のにぎわい創出につなげる。乙供市日のほか、マルシェやライブなど幅広いイベントを想定している。

 乙供市日には、町内や八戸市などの8業者が店を並べた。オープニングセレモニーで長久保耕治町長が「市日を皮切りに、町民の力を借りて駅前のにぎわいを取り戻す活動にしたい」とあいさつし、関係者らとテープカット。集まった町民らが思い思いに買い物を楽しんだ。

 乙供市日は毎月1、11、21日に開かれ、50年ほど続いている。これまでは乙供駅から離れた場所で開いていたが、今後は事業を活用し駅前で実施する。市日の責任者で、海産物の店を出した同町の杉山義春さん(72)は「(市日は)商売を抜きにした交流の場。駅前で町の買い物バスの客も立ち寄りやすくなる。町の活性化につながれば」と語った。

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