「必要」「休館の影響心配」立佞武多の館改修案、市民から賛否 青森・五所川原市

 青森県五所川原市は3日、市中心部の観光施設「立佞武多(たちねぷた)の館」のリニューアル基本計画案に対するパブリックコメント(意見公募)の結果を公表した。市民らから寄せられた意見は96件。老朽化に伴う大規模改修に賛成の声があった一方、事業費20億円の使い方や、改修工事で約1年間休館となることに懸念を示す意見も多かった。

 市の計画案では大規模改修工事を2025年度に行い、市民が交流できるスペースを設け、26年度にリニューアルオープンする。工事期間中は原則休館とする。

 市民からは「観光の目玉である施設ならば、メンテナンス込みのリニューアルは必要」といった賛成意見や、4階に設ける「子どもの広場」(仮称)について「市内に公共の遊び場が少ないので大変良い」と歓迎する声もあった。

 一方で、「町の繁栄につながるような20億円の使い方を真剣に考えている感じがしない」など市の案に疑問を呈する意見や、約1年間の休館について「お客さまを引き離すことなく改修工事を行うことは可能では」「スタッフの生活はどうなるのか」など影響を心配する声も多数あった。

 意見公募は1月11日~2月9日に実施。96件のうち、既に計画案に記述されている「記述済み」は4件、計画の実施段階で検討、対応すべき「実施段階検討」は66件、計画案への反映が難しい意見とされた「反映困難」は13件、質問や感想などが含まれる「その他」は13件だった。

 市の担当者は「ほかの意見公募と比べて96件はかなり多い。大規模改修への関心の高さがうかがえる」と話した。市は3日付でリニューアル基本計画を策定した。

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