来年は“4人”で 欧州初優勝の中島啓太を松山英樹&久常涼が歓迎

欧州ツアーで日本人優勝者が続々誕生。松山英樹は後輩たちの活躍を喜んだ(撮影/桂川洋一)

◇米国男子◇バレロテキサスオープン 事前情報(3日)◇TPCサンアントニオ オークスコース(テキサス州)◇7438yd(パー72)

松山英樹は前週、DPワールドツアー(欧州ツアー)「ヒーローインディアンオープン」で初優勝した中島啓太の成績を連日追っていたという。「初日トップだと思ったら、そのまま行っちゃった。スゴイですよね」とPGAツアー進出を目指す後輩のタイトルを喜んだ。

同大会の好スタートを受けて、突然中島に目を向けたわけではない。「“開幕”で4位だったのに、その後、結果が出てないなあと思っていて。まあ、(慣れない環境では)仕方がないことなんだなろうと思ったら、勝っちゃった」。中島は1月、今季の自身初戦「ラアス・アル=ハイマ選手権」でいきなりトップ5に入りながら、その後は4試合で2試合の予選落ちがあり、優勝争いに絡めないままシーズン6試合目の大会をインドで迎えていた。

久常涼は昨年インドでプレーした(撮影/桂川洋一)

松山とともに米国でプレーする久常涼は、同じインディアンオープンに昨年出場し10位で終えた経験があった。会場のDLF G&CCは「すごく狭くてバンカーもアゴが高い。ショットがしっかり打てないとスコアにならないコース」だったと振り返る。「でも啓太くんはうまいし、勝てる雰囲気があるというか、全然余裕だろうなと思っていたら、本当に余裕を持って勝った」。後続に一時は8打差、最終的に4打差をつける圧勝にも驚かなかった。

昨年「カズーオープンdeフランス」を制し史上3人目の欧州ツアー日本人優勝者になった久常にとっては、2月の「コマーシャルバンク カタールマスターズ」を制した星野陸也、そして中島は「パリ五輪」の代表枠を争う相手でもある。

2枠が濃厚な日本男子は、1番手の松山に次ぐ2番手争いが熾烈で、優勝で33ランクアップに成功した中島が現在78位。久常は86位、星野が88位に続く。「啓太くん、陸也さんの結果でも左右されることでもあると思うので、自分にできることを精一杯やっていければ」と今後はいっそう黙々とゲームに取り組むつもりだ。

松山はバレロテキサスオープン開幕前日にプロアマ戦に参加した(撮影/桂川洋一)

欧州ツアーではシーズン終了時点の年間ポイントレースで有資格者を除くトップ10に入ると、久常と同じように翌年のPGAツアーの出場権を獲得できる。松山は「来年、陸也も来るとなると4人になる。今までになかったこと。頑張ってほしいなと思います」と後輩たちにエールを送った。(テキサス州サンアントニオ/桂川洋一)

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