千葉工大、新開発3輪「ラプター」発表 用途に応じデザイン変えて 第三者のアイデア歓迎

発表会で実演された「ラプター」の走行の様子=3日、東京都墨田区の千葉工大キャンパス内

 千葉工業大学は3日、人が乗る部分を脱着して組み替えられる新開発の乗り物「Raptor(ラプター)」を発表した。電動式の3輪で、原付バイクと同じ規格のため公道を走行できる。走行機能は下部に集約し、上部は利用者のニーズや用途に応じて変更可能。新たなデザインが第三者によって次々と開発されていく「プラットフォーム型モビリティ」として、年内の一般販売を目指す。自動運転にも対応予定。

 レーシングパーツなどをデザインする会社RDS(東京)と、千葉工大未来ロボット技術研究センターが共同で立ち上げたロボット開発企業「ROIDZ TECH(ロイズテック)」(東京)の事業。同日、東京都内の同大スカイツリータウンキャンパスでの記者発表会で、ラプターが初公開された。

 全長119センチで、幅51センチ、高さ88センチ、重さ54キロ。最高速度は約40キロの1人乗り。前側2輪と後ろ側1輪の3輪構造で、曲がる際に傾く機能を持たせて安定感と小回りを両立した。

 バッテリーなど走行のための機能は下部の「ベースユニット」に集約。上部の「デザインユニット」はレバー一つで脱着でき、別のものに付け替えられる。

 デザインユニットの仕様を公開して第三者に製作参入を促すことで、機械的な技術を持たないクリエイターが独自デザインの乗り物を生み出せる。高齢者が乗りやすくしたり、自動運転で荷物を配送したりすることも想定しているという。

 同センターの古田貴之所長は「年齢、用途を問わず、皆がわくわくと格好よく楽しく乗ってほしい」と強調。RDSの杉原行里社長は「デザインユニット次第だが、一般的なバイク並みの価格にしたい」と展望した。

手前の「ベースユニット」に、互換性のある上部「デザインユニット」(人が乗る部分)を取り付ける仕組み

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