相鉄バス 自動運転バスを実証実験 社会実装見据え走行 横浜市旭区

カメラなどが搭載されている実験車両

相鉄バス(株)(横浜市西区)、先進モビリティ(株)(茨城県)、(株)東海理化(愛知県)、横浜市経済局は、4月5日(金)まで小型バスを用いた自動運転の実証実験を実施している。運行場所はよこはま動物園ズーラシア(旭区)の約2Kmの区間。相鉄バスが小型バスを用いた自動運転実験をするのは初。

少子高齢化踏まえ

今回の実験内容は、システムが加減速とハンドル操作の車両制御にかかる監視と対応を行う「部分運転自動化」。運転席に運転士を配置し、手動運転も状況によって交える。

相鉄バスでは、2019年から21年にかけて大型バスによる自動運転の実験を5回実施していた。同社の担当者は「少子高齢化に伴うバス運転手の不足が、地域交通であるバスの供給を脅かすことになる。深刻な問題と考えて、自動運転の実験をしてきた」と意義を説明した。

小型バスを用いた理由については、「大きいバスだけでは走行できる道が限られてくる。どちらも違った役割を担っている」と述べた。

社会実装を見据えて

実験では、ズーラシア正門5番バス停から北門バス停を経由して、元のバス停まで約5分かけて走行している(途中乗降不可)。起伏のあるルートで、担当者は「社会実装を見据え、アップダウンのある横浜市の実態に即したコースを選定した」と説明した。

運行時刻は、午前10時30分から午後1時、午後2時30分から4時まで、それぞれ30分間隔で運行。利用料無料で、一般の乗車も可能(定員10人)。

今後の実証実験については未定とのことだが、「システムが全ての運転を実施する実験も行い、早い時期での社会実装を目指したい」と語った。

「安定感ある」

実際の運行を見据え、使用する車両には東海理化の遠隔監視システムとして、車外に6台、車内に1台のカメラを搭載。遠隔監視センターに映像を送信し、車両の走行状況や車内外映像をリアルタイムで確認できる。

運行に携わる運転手は「安定感があるし、信頼して任せられるように感じる」と話した。

ハンドルから手を放している
周辺の状況を映像で把握

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