ブラジル中銀、インフレ期待とサービス部門インフレに懸念

[ブラジリア 3日 ロイター] - ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁は3日、サービス部門の実質賃金上昇でインフレデータがゆがむ可能性と目標から乖離したインフレ期待への懸念を表明した。

実質賃金上昇とサービス部門のコアインフレの関係を検証したところ、「一部にデータの混入が見られた」と投資銀行主催のイベントで発言。「これはディスインフレのプロセスが止まったことを意味するのではない。中銀が短期的なデータにこれまでより若干依存することを意味する」と語った。

ブラジルのディスインフレは多かれ少なかれ政策当局の理解に沿っているが、サービス部門のインフレ指数はわずかに上昇しているとした。

また、公式目標に収まっていない長期インフレ期待に大きな懸念があるとし、中銀は3%のインフレ目標を追求し続けると強調した。

対外的には10日発表される米インフレ統計に注目しており、市場は6月の利下げ開始を織り込んでいると発言。そうならなければ、米国では到達金利の再設定が行われ、世界中のリスク資産に影響を与えるだろうと述べた。

ブラジル中銀がルラ政権が発足した昨年1月以降で初めての為替介入を今週実施したことについては、為替レートは変動制であるため、介入はレアル相場とは関係ないと述べた。

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