Mikhail Flores Neil Jerome Morales
[マニラ 4日 ロイター] - フィリピンは4日、今年の経済成長率目標を引き下げ、来年の見通しについても楽観度をやや弱めた。高インフレや世界経済の減速見通しが背景。国家経済開発庁のバリサカン長官が明らかにした。
今年の成長率目標は6.0─7.0%とし、昨年12月時点の6.5─7.5%から下方修正。来年については従来の6.5─8%から6.5─7.5%にレンジを狭めた。
下方修正は昨年の成長率(5.6%)が目標を下回ったことや原油価格の変動、想定されるインフレや為替相場の動向も考慮したという。
高水準の食料価格、賃上げの可能性、交通費が個人消費を抑制する可能性もあるとした。
バリサカン氏は「対外面では世界経済の減速が外需を弱める可能性がある一方、地政学・貿易分野での緊張の高まりが供給網を混乱させる可能性がある」と述べた。
想定されるリスクにもかかわらず、持続的な成長モメンタムを楽観視しているとも語った。
2026─28年の成長見通しは6.5─8.0%に据え置いた。
政府はさらに、インフラ事業の資金をより柔軟に調達できるよう24─28年の財政赤字上限を引き上げた。バリサカン氏は「赤字を大幅に削減すれば成長に影響するため、利益にならない」と述べた。