ミニ観葉植物を育ててみたい人に、初めに知っておきたい、基本的な管理方法を紹介しましょう。まずはどんな準備をするといい? 鉢の選び方、寄せ鉢、基本の植えつけ方から、置き場所、水やり、肥料、ふだんのお手入れまで。すぐに枯らしてしまわないために、最初におさえておけば大丈夫です!
★おすすめの中型&大型観葉植物★
植物に合う鉢を探す楽しみ
園芸店で売られているミニ観葉植物は、黒のポリポットに入っていることがしばしば。鉢にすでに植え込まれていたとしても、好きなタイプの鉢でないこともあります。自分の好みの鉢に植えかえて楽しみましょう。
鉢の素材は?
植木鉢は、基本的にどんな素材のものでもかまいませんが、素材によって特徴があります。
素焼きの鉢は通気性がいいのですが、土が乾燥しやすい特徴が。
プラスチック鉢やコーティングしてある陶器などは水分保持にすぐれている反面、蒸れやすい面も。
金属製のものは、夏は熱く冬は冷たくなりやすく、土の温度変化が激しくなるため、管理に要注意。
素材の特徴を踏まえて、植物に合ったものを使いましょう。
底に穴のあいている鉢を
底に穴のあいている鉢を選んでください。鉢の底に水がたまっていると、水が腐って根腐れの原因となってしまいます。植物を植える土は一般的に「保水性にすぐれていて、水はけのいいもの」が適しているといわれます。余分な水分は底の穴から出ていけるようにしておくこと。
空き缶をリメイクして鉢がわりに使うなら、底にキリなどで穴をあけて使いましょう。
鉢の下に受け皿を置く
鉢植えは、鉢底の穴から水が流れ出るので、必ず受け皿が必要です。受け皿は鉢と同様に、素焼き、プラスチック、陶器、ブリキ製などいろいろな素材がありますが、水を吸う素焼き皿は室内用には向いていません。湿気で皿の下にカビが生えることもあるからです。園芸用にこだわらず、陶器や磁器、ガラス製などの食器を使うこともできます。
また、マグカップなどを受け皿用の鉢カバーとして使うのもおすすめ。鉢が小さいと観葉植物が倒れやすくなるので、マグカップのような安定感のある食器を鉢カバーにすると管理しやすくなります。
ただし、マグカップだと受け皿と違って底にたまった水が見えないので、水がたまらないよう、こまめにチェックする必要があります。
ふわっと葉が広がるタイプのミニ観葉植物は、重さのある鉢や鉢カバーに入れると安定します。
寄せ鉢なら置くだけで簡単
いくつかの植物をひとつの鉢に植える寄せ植えは、植え方が難しく、ハードルが高そう。でも、寄せ鉢ならポリポットのまま置くだけで、植物の入れかえも簡単です。水やりの条件が異なる種類も、組み合わせられます。
【材料】
・植物(奥から時計回りにモンステラ、ダバリア、フィットニア‘ホワイトスター’)
・カゴ
・パークチップ(マルチング材)
・エアクッション
ミニ観葉植物の基本の植えかえ方
ミニ観葉植物の、基本の植えかえ方を紹介します。
ポイントは、水やりのときに水があふれたり、はねたりして室内が汚れるのを防ぐためのウォータースペースをつくること。鉢の縁から1㎝以上、下がるように植えつけます。室内で土を扱うときは、新聞紙やブルーシートなどを敷いて作業しましょう。
【材料】
・植物(ガジュマル)
・観葉植物用の用土
・鉢底石
・鉢底網
・マルチング用の砂や小石
ミニ観葉植物におすすめは5号鉢まで
鉢のサイズは「号」で表されています。植物の大きさに合わせて、鉢のサイズを選びましょう。テーブルに置くようなミニ観葉植物を片手で気軽に移動させるには、5号鉢までに。鉢の厚さや高さによって必要な土の量は変わりますが、ここでは一般的な目安を紹介します。
1号鉢 直径:約3㎝ 必要な土の量:0.02ℓ
2号鉢 直径:約6㎝ 必要な土の量:0.08ℓ
3号鉢 直径:約9㎝ 必要な土の量:0.3ℓ
4号鉢 直径:約12㎝ 必要な土の量:0.6ℓ
5号鉢 直径:約15㎝ 必要な土の量:1ℓ
小さな植物にはピンセットがあると便利
小さな植物は、土をはじめとする園芸資材が少なくてすんだり、移動が簡単だったりと、育てやすい点がいろいろあります。ただ、植えかえの作業が細かいので、植物を支えながら土を鉢に入れる作業などは、意外と大変です。
そこで活躍するのは、小さい道具たち。園芸店でいろいろ売られているので、探しに出かけてみてください。園芸用品以外にも利用できるものがあります。
なかでもそろえておきたいのがピンセット。細くデリケートな根を鉢に押し込んだり、茎を引っ張り出したりするなど、さまざまなシーンで活躍します。また、スプーンやフォークなどのカトラリー類も使用可能です。
こういった小さなグッズたちは便利なだけでなく、空き缶の中に立てておいておけば、インテリアとしても楽しめます。
ミニ観葉植物の置き場所は
風通しのよい、直射日光を避けた日光がよく入る場所がベスト。日光が当たらない場所で育てざるを得ない場合は、ときどき移動させて日光に当ててやりましょう。
季節ごとの注意点もあります。多くの観葉植物は冬の間に休眠し、ほかの季節より虚弱になっているため、春になっていきなり強い日光に当てるのは過酷。レースのカーテンで日差しを調節するなどしましょう。4〜5月になったら、日照時間を長くしてあげてください。ただし、日光を嫌う品種もあるので注意が必要。
夏は、特に直射日光に注意。強い日差しを浴びると、葉がやけて変色してしまいます。また、冷房の風が直接当たる場所に置かないようにします。
秋は休眠に入るため体力を蓄えなければなりません。10月くらいまでは、積極的に日に当てます。
冬は、日光に当てることよりも、暖かい場所に置くことのほうが重要。暖房が効きすぎていると乾燥が進むので、加湿器を置くとよいでしょう。
水やりは鉢土の乾燥に合わせて
水やりは、1日1回といったふうに決めてしまうのではなく、鉢土の乾燥状態に合わせて行うのが理想です。
乾燥に強い品種の場合は鉢土の表面が乾いた翌日に、乾燥に弱い品種の場合は鉢土の表面が乾き始めたタイミングで水やりをします。
水はたっぷり与えるのが基本です。鉢底からきれいな水が出てくるまで与えます。水を与えると、いっしょに酸素も供給されるので、根腐れ防止になるのです。
さらに、葉水を与えることも忘れずに。多くの観葉植物は、熱帯から亜熱帯の湿度の高い地域が原産地ですから、葉に霧吹きで水を吹きかけることも大切です。
観葉植物用の肥料を
肥料は、植物が休眠する10〜3月以外は適度に与えましょう。与えすぎると育ちすぎて、ミニサイズではなくなってしまいます。
肥料は、土の上に置いて水やりのたびに溶けて土に染み込む粒状の緩効性肥料が基本。春の生育期や、水で肥料が流れ出てしまう夏季などは液体肥料を加えるといいでしょう。観葉植物用の肥料が手軽で安心です。
ふだんのお手入れはスキンシップ
葉の表面が汚れてきたら、湿らせた布でやさしく拭いてあげてください。これは見た目をきれいにするだけでなく、葉の表面の気孔がほこりなどでふさがってしまうことも防げるので、ハダニやうどんこ病などの病害虫の防除にもなり、植物を元気に保つことにも役立ちます。
また、ヒョロヒョロと弱々しく伸びた状態になることがあります。このように間延びして育つことを「徒長(とちょう)」といい、主な原因は日照不足です。明るく風通しのよい場所に移してやりましょう。
鉢底の穴から根が出てきたり、水やりしてもすぐに鉢土が乾いてしまうのは、根詰まりを起こしているから。ひと回り大きな鉢に植えかえましょう。
※この記事は『はじめよう!観葉生活』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。
※2022年10月24日に配信した記事を再編集しています。