台湾の地震、岩手在住の出身者が心痛 災害続発、備え再認識

友人が撮影した被災現場の写真を見つめ「少しでも被害が広がらないよう祈るだけ」と案じる菅沼麗※さん=3日、盛岡市上田

 東日本大震災後、いち早く日本に支援を届けた台湾をマグニチュード(M)7.7、最大震度6強の揺れが襲った。3日午前発生し、東部花蓮で死傷者が出た大地震。岩手県で暮らす台湾出身者は古里を案じ、ゆかりのある人たちが胸を痛めた。現地在住の本県出身者も混乱。岩手は2日に最大震度5弱の地震があったばかりで、人々は災害への備えを改めて心に刻む。

 盛岡市西下台町の全国通訳案内士の菅沼麗※(れいぶん)さん(45)=台中市出身=は「動揺した。前日に岩手で起きた地震を心配するメッセージをもらったばかりだったけれど、今日もずっと通知が鳴っていた」と、落ち着かぬ面持ちで話した。

 新北市に住む妹の自宅近くはビルが倒れ、多くが犠牲になった「25年前の大地震を思い出した」。花蓮市の友人で写真家の呉東峻(ごとうしゅん)さんが撮影した一枚一枚には、倒壊したビルや、崩落した主要道…。目を背けたくなる惨状に「心が痛む。被害が広がらないように祈るだけ」と振り絞った。

※は「雨かんむり」に「文」

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