「警察」と詐称し金建希夫人の取材をしたMBC記者、罰金刑が確定=韓国

ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領の夫人であるキム・ゴンヒ(金建希)氏を取材する過程で警察と詐称し裁判にかけられたMBCの取材陣2人に対し罰金刑が確定した。

韓国最高裁判所は4日、公務員資格詐称の容疑、共同住居侵入の容疑などを持たれているMBC記者のA被告と映像プロデューサーのB被告に対しこのように判断した。最高裁は公務員資格詐称の容疑は有罪、共同住居侵入の容疑は無罪と判断し罰金150万ウォン(約16万円)を宣告した原審(2審)判決が正当だとし、これを確定した。

A被告らは2021年7月、金夫人の博士論文盗作疑惑を取材した際に、金夫人の指導教授が居住していたキョンギド(京畿道)パジュ(坡州)市で聞き込みをする中で警察と詐称した容疑を持たれている。

当時、2人は指導教授の行方を追うため住所地の前に駐車された車の持ち主と通話し、「警察です」、「どこの不動産で契約したのか教えていただけますか」と聞くなど、捜査をしているように行動した。また、約15分間この住宅の周りを一回りし、窓などを開けようと試みたと調査された。

その後、MBCは謝罪放送をし、尹大統領側は「市民をだました黙過できない重大な犯罪」とし、A被告らを告発した。裁判の過程でA被告側は「偶発的な行動だったが反省している」と明らかにした。

1審と2審はA被告とB被告にそれぞれ罰金150万ウォンを宣告した。

1審裁判部は、「取材の公益的な目的を考慮したとしても、公正ではない方法で警察の資格を詐称し、罪責は重いと言わざるを得ない」とし、「ただ、犯行の手法が緻密であったり計画的だったとは考えられない」と量刑の理由を明らかにした。

また、住居侵入の容疑を無罪と判断した理由については、「住宅の外壁の外側を歩き回ったもので、外部者の出入りが制限されるという事情がわかるようにする塀、囲いなどがなかった」とし、「窓を開けた行為は取材のため居住者を呼ぶためのものとみられる」と説明した。

2審の判断も1審と同様だった。2審のウィジョンブ(議政府)地裁は昨年9月、罰金150万ウォンの宣告を維持した。2審裁判部は、「公務員資格を詐称した罪責は重く、公職により遂行される国家機能の信頼を損ねたという1審の判断に問題はない」とし、控訴を棄却した理由を説明した。

最高裁も2審の判決を首肯した。最高裁は、「原審(2審)に法理を誤解した過ちはない」とし、罰金150万ウォンを宣告した2審判決を確定した。

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