Spotify、一部の国でPremiumプランの価格を引き上げのうわさ。安価な新プランも

Image:Spotify

音楽ストリーミングサービス「Spotify」のサブスク料金がまもなく値上げされるかもしれない。

Bloombergが報じたところによると、Spotifyは英国、オーストラリア、パキスタンなど5つの市場で、4月末までにPuremiumプランの値上げを行い、米国では年内のどこかでの値上げが計画されているという。

値上げ幅は月額1~2ドルほどとされ、その理由はPremiumプランにオーディオブックのコンテンツ追加が計画されているから。Spotifyは現在のPremiumプランでも毎月15時間のオーディオブック利用時間を与えているが、その制限時間を超えてオーディオブックを聴くユーザーからしか追加の収入を得られていないとのことだ。

ただ、この値上げはオーディオブックをまったく聞かないユーザーにとってはなんのメリットもない。そこでSpotifyは新たに音楽とポッドキャストのみを利用できる新しい「Basic」料金プランを用意するかもしれないという。この新プランはオーディオブックを含まず、現在のPremiumプランと同じ月額$10.99ドルで提供される模様だ。つまり、既存のPremiumユーザーでオーディオブックが不要な人は、Basicプランに切り替えることでこれまでどおりSporityを利用できると考えられる。

それとは別に気になるのは、Spotifyが今後導入する予定とされる、ロスレス音質ストリーミングを含む「Supremium」プランのことだ。

The Vergeによると、数週間前から一部ユーザーからSpotifyアプリの「Now Playing」画面にDolby Atmosのロゴマークが表示されるとの報告が上がっているという。これは、Supremiumプランに提供される機能の一部として、空間オーディオが提供される可能性を示すものと言えるだろう。最上位プランとしてこれが提供されるのならオーディオブックも含まれる可能性は高そうだ。そうなると、音質にこだわるユーザーは結局オーディオブックも含めた料金を支払うことになるのかもしれない。

ちなみに、Spotifyは日本ではオーディオブックには参入しておらず、昨年のオーディオブックを提供している市場での値上げの際も、日本市場の価格は改定されなかった。

Spotifyは最近、売上の約70%をレコード会社やアーティストに支払っているため、サービスを音楽ストリーミングのみから多角化に切り替えつつある。ポッドキャストは数年前から、最近ではオーディオブックの提供を開始した。しかし皮肉なことに、このことが音楽業界のパートナーに、Spotifyからの収入が減るかもという懸念を与え、その反動としてSpotifyに価格引き上げを促していると言われている。

昨年、Spotifyは初めて月額料金の値上げを実施した。それでも、そのユーザーベースは1億1300万人も増加し、これまでで最高の成長を記録した。2023年末時点で、Spotifyの総ユーザー数は6億200万人で、そのうち2億3600万人が有料の顧客だった。

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