錦織圭がマスターズ・マドリードのワイルドカード獲得。バルセロナOPから続けてクレー大会に挑戦へ!<SMASH>

4月22日から開催される男子テニスツアーのマスターズ1000大会「マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/クレーコート)は3日に大会公式サイトを更新し、度重なる故障からの完全復活を目指す元世界ランク4位の錦織圭(現353位)に本戦ワイルドカード(主催者推薦枠)を付与することを発表した。

昨年7月から左ヒザの故障でツアーを離れていた錦織は、先週まで行なわれていた「マイアミ・オープン」(WTA1000)で約8カ月ぶりにカムバック。1回戦でセバスチャン・オフナー(オーストリア/大会時40位)に3-6、4-6で敗れたものの、随所に錦織らしい多彩なプレーを披露した。

ところがプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)48位で参戦予定だった今週の「全米男子クレーコート選手権」(4月1日~7日/アメリカ・ヒューストン/クレー/ATP250)は欠場。どうやら調整期間を設けるためだったようで、1日には自身のSNSでクレーでの練習映像を公開していた。

マイアミ敗退後の会見で錦織は「クレーでも何試合か良いプレーができることを願っている」と話していたが、そのうちの1つに挙げていたのがマドリード・オープンだった。今回の参戦を聞いて錦織が当時24歳で出場した2014年大会を思い出したファンも多いはずだ。
この時はミロシュ・ラオニッチ(カナダ/元3位/現198位)、フェリシアーノ・ロペス(スペイン/元12位/引退)、ダビド・フェレール(スペイン/元3位/引退)ら名だたるトップ選手を立て続けに撃破。決勝ではクレーキングのラファエル・ナダル(スペイン/元1位)から1セットを先取する健闘を見せたが、最後は腰の負傷による途中棄権を余儀なくされ、無念の準優勝に終わっていた。

15、16年にもベスト4入りするなどマドリードOPとは好相性の錦織。今回、予定通りプレーできれば、21年以来3年ぶり10度目の出場となる。日本のエースの参戦決定について大会公式サイトでは「男子では錦織の大会復帰は大きなニュースだ」と歓迎のコメントを掲載した。

また今年の大会では錦織の他、先のマイアミ1回戦でツアー本戦初勝利を挙げた18歳のマルティン・ランダルーセ(スペイン/317位)、女子では昨年8月に現役復帰したキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク/126位)、ドーピング違反による出場停止処分からカムバックしたシモナ・ハレップ(ルーマニア/元1位/現1143位)への本戦WC付与が決まっている。

なお現時点で錦織は本戦WCを得ているATP500シリーズの「バルセロナ・オープン」(4月15日~21日/スペイン・バルセロナ)に出場予定。その翌週にマドリードとなる見込みだ。得意のクレーシーズンでぜひとも完全復活のきっかけをつかんでほしい。

文●中村光佑

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