春のF1日本GPいよいよ開幕、満開の桜の下で世界が注目するレースが始まる【日本GPプレビュー】

2023年4月5日、いよいよF1第4戦日本GPが鈴鹿サーキットで開幕する。前戦オーストラリアGPではレッドブルの連勝記録がストップ、丸2年、43戦連続完走を続けてきたマックス・フェルスタッペンのまさかのリタイアに不穏な空気が流れている。はたしてレッドブルの挽回はあるのか、それともシリーズは混戦模様となっていくのか、注目のグランプリが始まる。

シリーズ前半戦の流れが見える重要なグランプリ

前戦オーストラリアGPで、常勝レッドルが2台揃って表彰台を逃した。マックス・フェルスタッペンはマシントラブルでリタイア、セルジオ・ペレスは捨てバイザーを拾った影響もあって5位に終わった。もっとも、予選ではフェルスタッペンがポールポジション、ペレスが3位と、速さに陰りが見えたわけではないので、心配無用という声もあるが。

チャンピオン決定の場所となったり、流れが変わるポイントになったり、シリーズの節目となることが多い日本GP。写真は鈴鹿サーキットの1コーナーから複合コーナー。

そのオーストラリアGPで躍動したのがフェラーリ。レース開始早々にトップの座を奪ったカルロス・サインツは悠々と独走、最後はペースダウンしてチームメイトのシャルル・ルクレールを近づけてフェラーリの1-2フィニッシュシーンを演出する余裕も見せた。もし、日本GPでもフェラーリの快勝となれば、シリーズの流れは一気に変わりそうだ。

昨年秋の日本GPではフェルスタッペンが圧倒

昨年2023年の日本GPでは、前戦シンガポールGPで連勝が止まったレッドブルのフェルスタッペンが、周囲の心配をよそに、あっさりと復活。前戦の乱調が幻だったかのように「通常運行」で鈴鹿を圧倒した。

昨年の日本GPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(右)が完璧な走りで優勝した。この勝利でレッドブルの2年連続6回目のコンストラクターズ選手権王座獲得が確定。左はレッドブルレーシングのクリスチャン・ホーナー代表。

圧倒的なタイム差でポールポジションについたフェルスタッッペンは、スタート直後こそヒヤリとしたものの、トップの座を守ると、後はいつものように「ひとり旅」を展開。ミディアムからミディアム、ミディアムからハードへと繋ぐ2回のタイヤ交換も無難にこなし、最終的に最速ラップを記録しての完全勝利となった。

チームメイトのセルジオ・ペレスはまさかのリタイアに終わったものの、レッドブルは6戦を残して2年連続6回目のコンストラクターズ選手権王座獲得を確定している。

9番グリッドからスタートしたアルファタウリの角田裕毅は、チームメイトのリアム・ローソンと競り合ううちに、レースペースの良かったアルピーヌ2台にも先行され、最終的にはローソンを抜けないまま3ポジションダウンの12位という悔しい結果で終わった。

023年日本GPのタイヤ戦略。ミディアムタイヤが機能し、大多数のドライバーがミディアムから始めることを選択した。鈴鹿サーキットはタイヤの摩耗レベルが高く、タイヤへの負荷が大きいため、例年、2ストップ戦略が主流となる。

【参考】2023年F1第17戦日本GP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 53周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+19.387s
3位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+36.494s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+43.998s
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+49.376s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)+50.221s
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)+57.659s
8位 14 F..アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+74.725
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー) +79.678s
10位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+83.155s
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11位 40 L.ローソン(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
12位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)

7日日曜日、鈴鹿は雨?タイヤ戦略はどうなるのか

日本GPが行われる鈴鹿サーキットは、世界的も珍しい8の字コース。ゆえに左右のコーナーがバランスよく配されるのが特徴で、130Rと200Rが続く複合のダンロップコーナー、デグナー、タイヤに負担がかかるスプーンカーブ、300km/hで通過する超高速の130Rコーナーなど、息の抜けない高速コーナーが多く、「走っていて楽しいサーキット」とドライバーからの人気も高い。ただし、決勝でのオーバーテイクが簡単なコースではなく、スターティンググリッドが重要となるため、例年予選から激しい戦いが展開される。

鈴鹿サーキットのコース図。全長5807mの中に、高速コーナーを配置。もっとも遅いコーナーはヘアピン。

今年から開催時期が秋から春に変更されたのも大きなポイントで、気温、湿度、風向きなどがどう変わるのかも興味深い。また、決勝が行われる4月7日日曜日は雨模様という天気予報も出ており、金曜日からのスケジュールをどうこなして行くかも重要となる。

タイヤを供給するピレリは、日本GP開幕にあたって「今年の日本GPは初めて4月に開催されます。1994年4月17日にパシフィックGPが岡山・英田で開催されましたが、秋の鈴鹿よりも気温は高く、8℃から13℃でした。日本GPではサーキットの高レベルのグリップと摩耗性を考慮して、最も硬いコンパウンド、ハード=C1 、ミディアム=C2 、ソフト=C3 を供給します。タイヤが受けるストレスから、2ストップが一般的な戦略となりますが、気温が低い場合は1ストップ戦略も可能となるでしょう。季節が異なるのでそのまま参考にすることはできませんが、2023年のタイヤ戦略は今年と同じコンパウンドで、ミディアム→ミディアム→ハードの2ストップが勝利戦略となりました」と分析している。

今年の日本GPに向けて、ピレリタイヤが公開した分析データ。

さて2024年はどんなレースとなるのか。前戦で7位入賞を果たして好調な角田裕毅(RB)、フリー走行に参加することになった岩佐歩夢も要注目だ。F1第4戦日本GPは、4月5日金曜日11時30分からのフリー走行1回目で開幕、予選は4月6日15時、決勝は4月7日14時に開始される。

2024年F1第4戦日本GP タイムスケジュール

フリー走行1回目:4月5日11時30分〜12時30分
フリー走行2回目:4月5日15時〜16時
フリー走行3回目:4月6日11時30分〜12時30分
予選:4月6日15時〜16時
決勝(53周):4月7日14時〜

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