「久しぶりに天才を見た」謎のガジェット“PS5のコントローラーで操作できるマウス”にSNS爆笑→「技術の無駄遣い大好き」

カタカタと小刻みに揺れながら進むマウス(動物ではなく、PC周辺機器の方です)の動画 が、「かわいい」「才能の無駄遣い」などと話題になっています。

話題になっているのは、フリーランスのエンジニア・君塚史高(@ki_230 )さんが開発した「PS5のコントローラーで操作できるマウス」です。X(旧Twitter)で3月28日に動画を投稿したところ、約15万件もの「いいね」が寄せられました。

マウスに小型ロボット「toio(トイオ) 」を組み込み、PS5のコントローラーで操れるように改造したもので、アナログスティックを使って前進・後退、左右に転回することができるようになっています。

君塚史高さんより提供

「なんでマウスを動かせるようにしたんだ?」という疑問はさておき、前に進むときにカタカタと小刻みに揺れる姿はモルモットのようで愛嬌たっぷり。

現状はただ「かわいい」だけのガジェットで、製作者さんも「いまのところ用途は不明」とのこと。なぜ作ったんですか……?

Xでは

💬「久しぶりにこれほどの才能の無駄遣いを見たな」

💬「こういう『用途不明』なもの好き! ゼロを1にする作業って素晴らしいんだよ」

💬「『無駄に洗練された無駄のない無駄なガジェット』大好き」

💬「久しぶりに天才を見た」

💬「マウスも自走する時代になったんだなぁ」

などと笑いを呼び、「餌あげたくなりますね」「かわいい! 飼いたい!」などと魅了される人も続出していました。

「マウス to マウス」思いつきを実現するために開発

それにしてもなぜ「PS5のコントローラーでマウスを動かそう!」と思ったのか。BuzzFeed JAPAN編集部は開発に至るまでの経緯を君塚さんに聞きました。

――なぜマウスを動かしてみようと思ったのでしょうか?

「マウスでマウスを動かしてみました。名付けて『マウス to マウス』です」という投稿を思いついたので、そこを目指してマウスで動かせるマウスの開発を始めました。

――なるほど、「どんなツイートをするか」からスタートしたのですね。

はい。まずは動く方のマウスから作ろうと思い、toioを使ってプロトタイプを作ってみたところ、想像以上にかわいらしい動きになったので、動作の様子を公開してみました。

toioを収納するために、もともと内蔵されていた基盤を取り出してしまったため、現段階のものはマウスとしての機能はありません、マウス型のラジコンです。

マウスの機能を持たせる開発とコントローラー側のマウスの開発には、絶賛苦戦中です。

――動画ではかわいらしくトコトコと進む様子が移っていますが、どうやって動いていますか?

マウスを分解して、toioを収納しています。toioとマウスの固定のために3Dプリンタで治具(じぐ)をプリントしています。toioをPS5のコントローラーで操作するプログラムは、探せば見つかりそうな気もしたのですが、自分で書いた方が早かろうと思い、自作しました。

君塚史高さんより提供

――トコトコ動くのに何かこだわりはありましたか?

実はこだわりはなく、偶然の産物です。

マウスホイールを支えるパーツの分、治具の重心が前よりになっているため、前進時にトコトコと進むようになりました。当初はスーッと動かすことを想定していたのですが、かわいらしい動きだったのでそのまま採用しています。

――製作期間・費用はどのくらいでしょうか?

開発開始から動画の撮影・投稿までの期間は1日、12時ごろにアイデアが浮かび、マウス(300円)を買いに行きました(toioや3Dプリンタなどの機材は含まず)。

君塚史高さんより提供

――1日!? すごい技術力ですね……SNSでは大変多くの反響がありましたが、今のお気持ちを教えてください。

戸惑っています。

いままでも自作したものを投稿していたのですが、今回の動画が過去最高の反響になるとは思いませんでした。まだ未完成ですし。「用途は不明です」と書いたからなのか、リプライでいろんな用途を提案いただいてまして、すごく面白いなと思っています。

前述の通り、まだ、現段階ではマウス型のラジコンでしかないのですが、提案される用途で使うためには、マウスカーソルを動かす機能が必要なものもあるので、頑張って実装したいです。

ただ、基盤を組み込んだものでテストしたところ、toioでは真横に移動できないため、操作性が激悪という大きな課題があります。

あと、リプライで、FPS(一人称視点のシューティングゲーム)における「マウス・ゲームパッド論争」を知り、すごく面白いなと思いました。

――シューティングゲームをコントローラーで遊ぶか、マウスで遊ぶかというものですね。

はい。僕が子供の頃のコンピューターゲームは、当然の如くみんなが同じインターフェイスを使っていたわけですが、現代ではインターフェイス選定から戦いは始まっているんだなぁと。

昨今の、インターフェイス飽和時代においては、用途不明のインターフェイスがあっても良いのかもしれないなと思いました。

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「作ってみたいから作った」という発明家ならではの発想。用途が不明ではあるものの、ここから偉大な発明品が生まれる……!? かもしれませんね。

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