富岡産ワインを町の象徴に 2500株苗木植え ボランティア150人参加

慎重にブドウの苗を植える参加者

 福島県富岡町でワイン造りに取り組む一般社団法人とみおかワインドメーヌは3月30、31の両日、町内のJR富岡駅東側の農地でブドウの苗木植え作業を繰り広げた。町民や県内外のボランティア約150人が参加して約2500株を定植した。8年間で計1万2500株となる。富岡産ワインを広め、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を進めていく。

 赤ワインのメルローや白ワインのリースリングなどさまざまな種類のブドウ2500株を植えた。31日は穴開けや根切り、植え付けなどの作業を実施し、日当たりなどの環境に合わせて苗木を1本ずつ丁寧に植えていった。

 町民有志で2016(平成28)年春から始めた。同法人を設立して規模を拡大、2020年1月に初のワインが完成した。昨年1月に新会社「ふたばラレス」を設立して、富岡駅北側に醸造所や貯蔵庫、レストランなどを備えたワイナリーを来年4月の開業を目指して取り組んでいる。来月中にも着工するという。

 苗木は震災前の富岡町の人口と同じ約1万6千株を目標にしており、来春にも達成する見込みだ。遠藤秀文代表理事は「8年粘り強く継続し、町のシンボルとなるような景色や人の輪が広がってきた。さらに魅力ある町の礎となるよう取り組んでいきたい」と話している。

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