サシバが愛する里山環境守れ!市貝町 4月から条例一部施行 サシバや多田羅沼を保護指定へ

とちぎテレビ

渡り鳥のサシバが飛来する美しい里山の自然を将来にわたって守ろうと、市貝町は「サシバの里保全創造条例」を定め、4月1日から施行しました。希少生物の保護と環境保全を合わせた条例は栃木県内の市や町では初めてです。

水田や丘陵地帯が広がる市貝町はタカの仲間のサシバが春先から秋にかけて巣を作ることで知られ、2019年には「国際サシバサミット」を開くなど、これまでも町を挙げて環境保全に取り組んできました。

市貝町によりますと、高齢化の進展などにより農地や森林が荒れ、動植物の数が減ったり、これまでの生態系が崩れる恐れがあることから、条例を制定しました。町の宝である里山の環境を守り将来にわたって美しく住みよい町づくりを進めていきます。

条例では「保全地域の指定」と「里地里山の利用促進」、それに「希少野生動植物の保護」に取り組みます。

まずは、水田の灌漑用に作られ、スイレンやサクラの名所である「多田羅沼」を開発行為を禁止する「特別重要里地里山保全地域」に指定するほか、里山保全の活動を行う団体に、初年度は15万円から25万円の範囲で助成します。また、サシバを「特別希少野生動植物」に指定します。

NPO法人オオタカ保護基金の調査によりますと、町内に巣を作るサシバの数は2000年代前半に比べて3分の2ほどに減ってきていると見られます。

希少生物を守る条例は那須塩原市も制定していますが、里山の保全を含めた総合的な条例は県内の市や町ではほかにないということです。

この条例は罰金などの罰則を設けていて、罰則については半年の周知期間の後、10月から施行します。

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