JFAが審判交流プログラムを総括 「運動量や足の速さ」を備えた英主審の参考にすべき点は?

審判交流プログラムで来日したルイス・スミス・ディーン主審【写真:徳原隆元】

ドイツ、ポーランド、イングランド、メキシコ、カタールとの交流プログラムを予定

日本サッカー協会(JFA)は、4月3日にレフェリーブリーフィングを開催。アメリカとイングランドから審判員を招いて行われた審判交流プログラムについて総括された。

このプログラムで、アメリカからはエルファス・イスマイル主審とパーカー・コーリー・マイケル、アトキンス・カイル・トーマスの両副審が招かれた。彼らは2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)でもトリオで選出された審判団であり、Jリーグとも協力して実現しているこのプログラムについて、JFA審判委員長の扇谷健司氏は「世界のトップを見ることで多くのことを感じられる。彼のチームを3人で呼びたいという強い気持ちがあった」と話した。

来日期間でFC町田ゼルビアと鹿島アントラーズの試合などを担当したイスマイル主審について、ロシアW杯の審判員に選出されるなど国際主審としても活躍したJFA審判マネジャーの佐藤隆司氏は「高圧的ではないけど、強さがある」として、鹿島側にファウルがあった場面でのFW鈴木優磨に対してのアクションや、町田に強い当たりでのファウルがあり鹿島の選手が怒りを見せた場面の収め方を紹介した。

また、イングランドからは直前にプレミアリーグでデビューしたルイス・スミス・ディーン主審らが来日。川崎フロンターレと京都サンガF.C.の試合などを担当し、ペナルティーエリア近くの事象に遅れることなくついていき、余裕をもって判定している場面などが紹介された。佐藤マネジャーは「運動量や足の速さ。30歳の若さということもあり、J1だけでなく下のカテゴリーのレフェリーにも参考にしてほしい」と話していた。

今回のプログラム全体で行われたことについて佐藤マネジャーは、「プロレフェリーのキャンプに参加しての意見交換、同じ考え方のものもあれば、考え方の違うものもあった。若手審判員が彼らの裁いた試合を見に行って、翌日に質問に答えてもらう機会も作った。オンライン研修会も実施した。また、Jリーグはすごくオーガナイズされていると評価してもらった」と話した。

JFAからは、今後ドイツ、ポーランド、イングランド、メキシコ、カタールとの交流プログラムの予定が発表されている。今回、ディーン主審と日本の若手副審が組んだことも踏まえ、佐藤マネジャーは「できるだけ多くの副審や第四審判、戦略的に若い審判員も組ませたい」と、日本人審判員の成長につなげるための施策を話していた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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