“絵本のノーベル賞作家”ペク・ヒナの新作 カエルの“家族愛”を長谷川義史の関西弁で訳した意欲作

株式会社ブロンズ新社から、ペク・ヒナによる新作絵本『ゆめのごちそう』(長谷川義史訳)を4月11日に全国の書店で発売される。ペク・ヒナは、2020年にアストリッド・リンドグレーン記念文学賞(絵本界のノーベル賞とも称される)を受賞した世界的に評価される絵本作家だ。

本書は、2014年に韓国で初めて発表され、カエルの兄とオタマジャクシの兄弟の家族愛をテーマにした作品。読者は、大人たちが仕事で家を留守にしている間、兄弟の面倒を見る“兄カエル”の奮闘を追体験する。

本作では、ペク・ヒナの作品の特徴である手作り人形の撮影手法が、本作では新たな表現に進化している。遠近感と水辺の湿り気を表現するために、アニメのアナログ製作のセル画を何層も重ねて撮影するという新たな方法が使われており、その結果、背景や水辺の草木の奥行きが見事に再現され、読者には水辺の湿度感まで伝わってくる。

また、この作品の翻訳を担当したのは、絵本作家の長谷川義史。以前からペク・ヒナ作品を関西弁で訳すことで知られている。

(文=リアルサウンド ブック編集部)

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