ズワイガニの産地偽装、逮捕の会社役員が複数のタグ所持「10年前からやっていた」

京都府警本部

 兵庫県産のズワイガニを京丹後市の高級ブランドガニ「間人(たいざ)ガニ」と偽って販売したとして、京都府警生活保安課と京丹後署、宮津署は4日、不正競争防止法違反と商標法違反の疑いで、同市丹後町間人の水産物販売会社「まるなか水産」の役員の男(42)=同市=と、元従業員の男(52)=同市=を逮捕した。2人は容疑を認めており、会社役員の男は「高値で売るために約10年前からやっていた」と供述しているという。

 2人の逮捕容疑は共謀し、昨年2月1、25日、兵庫県産のズワイガニに、同市丹後町の間人漁港で水揚げされたズワイガニを証明する産地表示タグを付けたカニ2匹を計5万4500円で顧客に販売した疑い。会社役員の男は商標使用の権限がないにもかかわらず、今年2月29日、府漁業協同組合が管理する間人ガニを示す新しいタグ21本を使用する目的で所持した疑い。

 

 府警は、「タグの付け替えが行われている」との情報が地元住民から寄せられ、今年2月末にまるなか水産や兵庫県の漁港など関係先を家宅捜索。取引資料を押収するなどして裏付けを進めていた。

 

 府漁協丹後支所(京丹後市)によると、タグは緑色のプラスチック製で、「たいざガニ」の文字と漁獲した船名が明記されており、船上で漁獲直後のカニの足に付ける。船主か船長が保管し、水産物販売会社などはタグを所有できないことになっている。

 

 府警によると、間人漁港に全5隻あるカニ漁船の船名が記された各タグのうち、会社役員の男は複数の種類のタグを所持していたといい、府警が入手した経緯などを調べている。

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