岩井千怜のシャフトはほとんど先調子なのに、ウェッジだけ中調子【女子プロセットのどこマネる⁉】

ドライバー、アイアンのシャフトは先調子を使うが、ウェッジだけ中調子を使う岩井千怜

開幕戦で勝利した岩井千怜のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点はどんなところかを、フィッター兼クラフトマンの吉田智に聞いた。

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ドライバーの『レクシスカイザL』からアイアンの『レクシスカイザ i』まで、シャフトを先調子でそろえている点が特徴です。双子でも千怜プロと、明愛プロはスイングが違います。千怜プロの持ち球はフェード。絶好調時の有村智恵プロや、堀奈津佳プロみたいなイメージで、その場で回ってボディターンで打ちます。トップがコンパクトで切り返しが早いため、手元が硬い先調子のシャフトが合うのでしょう。

一方、明愛プロはトップが深く、大きなタメを作ってヘッドをぶつけるイメージのスイングですね。ゆったり切り返すため、中調子のシャフトを愛用するのだと思います。

シャフトの統一感があるセッティングは、非常に参考にしたいところ。だから成績が出ているとも言えますね。アイアンはカーボンシャフトを使っているのが特徴。80グラム台の重量帯で先調子系のスチールシャフトが少ないため、この『レクシスカイザ i』を使っているのでしょう。

全体が先調子でまとめられていますが、ウェッジのシャフトだけ先が動きすぎない中調子の『N.S.PRO 950GH neo』を使用している点は面白いですね。アプローチだけスイングが違うものと理解した上手いセッティングだと思います。

また、キャリーを出しにくくなる4番アイアンの位置に、ロフトが立っていても高さを出しやすい飛び系の6番アイアンを入れています。これもアイアンセットと同じく『レクシスカイザ i』を装着して、振り心地をそろえている。直ドラを打つなど、ボールを上から打てる技術があるので、アイアンのほうがユーティリティよりも打ちやすいのだと思いますね。

【岩井千怜のクラブセッティング】
1W:ヨネックス EZONE GT TYPE S(9度/レクシスカイザL 5S、45.25㌅)
3,5W:ヨネックス EZONE GT(15,18度/レクシスカイザ2K 5S)
6I(4I相当):ヨネックス EZONE GT(23度/レクシスカイザ i 8S)
5I~PW:ヨネックス EZONE CB511(レクシスカイザ i 8S)
50,54,58度:ヨネックス EZONE W 501(N.S.PRO 950GH neo S)
PT:オデッセイ WHITE HOT BLACK #5 CS
BALL:スリクソン Z-STAR XV

■岩井千怜
いわい・ちさと/2002年生まれ、埼玉県出身。2022年、23年とツアーで2勝ずつをマーク。今季も「ダイキンオーキッドレディス」で5勝目を挙げて、開幕ダッシュに成功している。岩井明愛は双子の姉。Honda所属

■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている

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