横浜市開港記念会館が利用再開 大規模改修終える、米軍接収時のペイントも発見

国指定重要文化財の「横浜市開港記念会館」が2年強に及ぶ大規模改修を終え、4月から利用を再開した。工事中には米軍接収時のものとみられる英字ペイントも発見された=横浜市中区

 国指定重要文化財の「横浜市開港記念会館」(同市中区)が老朽化に伴う大規模改修を終え、4月から公会堂としての利用を再開した。講堂やステンドグラスなどの内外装の補修で文化財としての保全を図るとともに、バリアフリートイレや授乳室も備え、誰にでも使いやすい施設に生まれ変わった。

 同館は1909(明治42)年の横浜開港50周年を記念し、市民からの寄付で建設された公会堂。地下1階地上2階建て塔屋付きで、17(大正6)年7月に開館した。大規模改修のため2021年12月から今年3月まで休館し、総工費は約7億円。

 今回の改修では劣化が進んでいた地下の広間や通路の壁を関東大震災後の再建時の姿に復元。貝灰や海藻のりなど当時の材料と工法で調合し、薄い黄色の漆喰(しっくい)をよみがえらせた。工事中には米軍接収時(1945~58年)に米兵の社交場として使われていた時代のものとみられる「BARBERSHOP」(理髪室)、「FIRE ALARM」(火災報知機)などの英字ペイントも発見された。

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