フォーカスアラカルト『いきつけ』 第1回「野球のまち阿南」をつくった男【徳島】

フォーカスアラカルト、日替わりでフォーカス徳島のアナウンサーがテーマごとに、県内の話題をお伝えしていきます。

毎週木曜日は森本真司が担当する「いきつけ」です。

旬な方や各業界の話題の人物にゲストの「いきつけ」のお店で、ざっくばらんにお話を聞いていきます。

記念すべき1回目は、センバツ高校野球・阿南光がベスト8に進出する活躍もありましたが、その野球のまち阿南をつくった男、田上重之さんにお話を伺いました。

喜びの声が聞けましたよ。

森本真司

「阿南光のセンバツベスト8、まだ個人的には余韻に浸っております。

1回目のゲスト、田上重之さんです。よく頑張りましたよね」

田上重之さん71歳は、野球による町おこしを提案し、2010年、阿南市役所に全国初となる「野球のまち推進課」を創設。

以来、野球を観光資源とする様々な事業を成功させてきました。

「阿南光高校は1塁ベースより近いところにある。

いきつけの店はホームベースくらいまでの距離」

事務所から歩いてすぐの所にあるのが、田上さんいきつけのお店「島じろう」。

「島じろう ここね」「近いでしょ」

「乾杯おめでとうござました」

「いいお店ですね」

「家からも近いし、マスターはいい男だし、料理が美味しいし」

「島田さんはこちらの出身?」

「阿南出身でずっと阿南にいる」

「阿南光快進撃うれしかった?」

「母校なので」

「必ず湯豆腐を注文する」

「湯豆腐と刺身」

まずは熱々で。

「豆腐と阿波尾鶏」

そして、島じろう自慢のおつくりはこの日、朝まで泳いでいたヒラアジ。

「うわぁ。きれい」

「コリコリ」

「いきが良いのがわかる。脂が程よくのっている」

「阿南光の快進撃を受けて?長くかかったなのか、よくここまで来たそれともまだ途中?」

「今度こそ阿南の高校野球が本当に強くなってきた。『今度こそ』という気持ち」

「というのも、阿南は前から野球どころ。小学校の少年野球は強い。中学校の野球も強い。

一般の軟式野球のチーム数も多いが、高校野球は阿南光、新野、富岡西の活躍は

まだ最近のこと。 いい選手がどんどん流出してしまって地元は寂しい気持ちだった」

「今度こそ、阿南光が体制が出来てきて、安定して甲子園に出場できるようなチームに

なるのではないかとという気持ちでいる」

田上さんの斬新な発想と、長年培ったネットワークによって、野球のまちの事業は成長。

なかも甲子園出場校の合宿誘致は、地元校のレベルアップへと繋がりました。

(2016年3月のニュース映像)

「去年のセンバツ高校野球で初優勝を果たした、福井県の敦賀気比高校が

今年も連覇を目指し阿南市で合宿を行っています」

「敦賀気比は合宿に来て優勝をした。合宿に来てくれる学校は地元が雪なので

練習出来て喜んでくれる。

徳島県の高校にとっては大会直前に敦賀気比が真剣勝負をしてくれる」

「印象に残っているのが、富岡西がセンバツに出場したときの投手で

3番打者の浮橋選手が『全国級の球を見せてもらいました』と言っていたこと。

その時まだ1年生だった」

「もう一つ今、全国的に注目されているのがABO60。

全国どこにもない野球の町は、全国どこにもないおばちゃんたちも全国にない。

あちこちから来てくださいと言われる。県外の野球の関係者から、あれはなんだ!

と聞かれる」

「入社してからなので、30年お世話になっているが、野球の町をつくると言った当時、

何を言っているのだという声もあった」

「真剣に目の前で怒られたことも何回もある。電話でも怒られた。

いかに野球が好きだからと言っても、市役所でそれをしてはいけないよと

こんこんと怒られた。でも『まあ、見ていてください』と」

生みの親、田上さんが描く「野球のまち」の未来像は。

「私にしかできないことをして、皆さんのために阿南のためになるようにできれば

ということで、野球のまち体験ツアーを考えたい。

観光地に行って綺麗な景色を見るという観光もあるが、本当に野球を好きな人は

野球のまちと言われている町の雰囲気を味わいたい。

そういう方の受け皿というか、話し相手になる。それも観光。

そういう道を新しく作れれば

(そうして徳島を訪れた人は)何回でも(徳島に)来ますよ」

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