市民防災センター 体験コーナーを刷新 大和ハウス工業と連携 横浜市神奈川区

バルコニーに設置された避難はしご降下体験コーナー

横浜市民防災センター=沢渡=が4月2日、3つの新たな体験コーナーを加えてリニューアルした。新設されたマンション防災コーナーは、防災パートナー企業となった大和ハウス工業株式会社が企画。そのほか、VR体験や風水害体験コーナーの内容を改め、地域の防災力向上が期待される。

全国初マンション防災

リニューアルの目玉となるのが、マンション防災対策について学べるコーナー「ダイワハウスpresentsマンション防災考えるーム」だ。横浜市内の住居はマンション等の共同住宅が約6割(全国平均は約4割)を占め、マンションでの防災は重要な課題の一つ。そんななか、災害に強い「レジリエンスマンション」づくりに力を入れる大和ハウス工業株式会社が防災パートナー企業となり、全国初となるマンションに特化した防災コーナーが新設された。

コーナー内には、同社が実際に使用していた建材を再利用(一部)した分譲マンションの一室を再現。リビング、ダイニング、キッチン、バルコニーなどの各部屋で、避難器具の取り扱いや危険個所などを確認できる。火災対策では、バルコニーに設置された避難はしごや隔て板での避難方法を体験できるほか、映像と音声でキッチンでの火災対応を学ぶことができる。地震対策としては、家具の転倒防止や感震ブレーカーの作動体験を用意。展示品や実物大のイラストを使って、防災備品やその備え方、必要なスペースなども分かり、在宅避難についても理解できる。そのほかクイズなども用意されており、親子で楽しく防災について考えることがコーナーとなっている。

リニューアルに先立ち3月25日に行われた内覧会では、防災パートナー認定証授与式も開催。同社マンション事業本部長の富樫紀夫さんは、「防災センターの理念は、弊社の防災マンションと通ずる部分もあり連携に至った。暮らしを見返し、防災について考える機会にしてもらいたい」と防災への思いを語る。

リニューアルでは、VR自由体験コーナーに新作の動画も追加。震災対策を学べる動画で、横浜市が同社グループの大和ライフネクスト(株)と(株)理経と共同制作した。また、風水害体験ツアーで放映される映像も新調。子育て世代の家族が風水害の経験から早期避難の重要性を学ぶ様子を描いた作品となっている。横浜市消防局予防部長の加賀谷敦己さんは、「協力は大変ありがたい。有意義に活用して、自助共助の大切さを訴えていきたい」と話した。

認定証授与式に参加した富樫本部長(中央)ら

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