物価高で家計苦しいのに…「異次元の裏金額むなしい」 首相はおとがめなし、軽すぎる処分 自民に県民の不満どっと

 「見せかけだ」「首相も責任を取るべきだ」-。派閥の政治資金パーティー裏金事件で関係議員らの処分を自民党が決めた4日、県内からは市民感覚とかけ離れた対応に非難が相次いだ。政治への不信感が広がる中、7日に告示される鹿児島市議会議員選挙への影響も注目される。

 薩摩川内市隈之城町の無職女性(42)は「真相究明はなされておらず、責任の所在も分からないまま」と指摘。子育て中で、「物価高で少しのお金のやりくりにも気を付けているのに次元の違う裏金額にむなしくなる」とこぼす。

 種子島から鹿児島市内を訪れていた会社員男性(56)も「政治不信は深まるばかり。同様の問題は今後も繰り返されるのではないか」と危惧した。

 霧島市国分の自営業男性(48)は「議員を辞め、けじめをつけるのが筋。軽すぎる処分で、一時的に国民の目をそらせば済むと考えているのだろう」と憤る。

 今回の処分では岸田文雄首相は対象外となった。「トップのおとがめなしは民間会社ならありえない」と怒りをあらわにするのは、いちき串木野市旭町の団体職員女性(24)。「自民に政権は任せられない」と語気を強めた。

 自民が最大会派となっている鹿児島市議会議員選挙への影響もありそうだ。同市の専門学校生女性(20)は「一連の問題を見た若い世代は、今後の社会に希望を持てないのでは。不透明な政治のままでは選挙に行くのも気が進まない」。

 総務会長として裏金問題に対応し、県連の会長を務める森山裕衆院議員に一層の政治資金の透明化を求める意見も。肝付町後田の畜産業女性(72)は「地元の期待は大きく、今後も毅然(きぜん)とした態度で臨んでほしい。失われた政治への信頼は簡単には取り戻せない」と注文する。

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