【阪神】岡田監督「想定外」の敗戦 2度のリクエスト成功をモノにできず悔しさ倍増

曇った表情の岡田監督

阪神は4日のDeNA戦(京セラ)で2―3と逆転負けを喫した。これで開幕から2カード連続の負け越し。シーズン序盤とあって岡田彰布監督(66)は「ちょっと想定外やな」と苦笑いだったが、2度のリクエストで「アウト」が「セーフ」になる幸運な珍事がありながらも黒星を喫したのはダメージが大きい。

0―0で迎えた4回一死一、三塁。梅野が中前適時打を放ち、一走の佐藤輝が三塁を狙ってヘッドスライディング。DeNA・関根の好返球で微妙なタイミングだったが、梅木三塁塁審の判定はアウトだった。即座に岡田監督からリクエストが要求されるとリプレー検証の結果、判定は覆りセーフ。阪神のチャンスは一死一、三塁で継続された。

続く木浪の打球は一ゴロだった。一塁・オースティンはベースを踏んで反転し本塁に転送し、三走・佐藤輝は足から滑り込んだものの真鍋球審の判定はアウト。ここで再び岡田監督がリクエストを連発すると、またしても判定が覆って2点目が転がり込んだ。

リクエストに2度も〝救済〟される格好となった佐藤輝は試合後「リプレーがあったから助かりました」と振り返ったが、かつては微妙な判定で試合の流れをつかみ損ねるケースも多々あった。

実際にリクエスト制度が導入されていなかった時代に主力として活躍した球団OBは、当時の際どいクロスプレーについてこう述懐している。

「走塁時の微妙なクロスプレーで自分はセーフと思ってもアウト。逆にアウトと思ってても幸運にもセーフって場面がどれくらいあったかなって。自分の感覚では半々なんですね。ただ、それがどんな場面で起きるかによって試合は大きく変わりますけどね」

まさにその通りだ。この試合の場合は「アウト」が2度も「セーフ」に変わり、得点にも絡んだ。ひと昔前であれば両軍の監督が互いに猛抗議し合い、荒れた展開になったかもしれない。

誤審に振り回されたわけでもなく、むしろ結果的にジャッジが有利に働いたにもかかわらず最後は苦杯をなめた。岡田監督は「うーん、あと1本が出えへんやんか。しゃーないけど」とボヤくしかなかったが、内心で悔しさは倍増しているかもしれない。

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