鶴瓶&藤ヶ谷太輔が明かす「A-Studio+」での“あうんの呼吸”。スタッフの情熱がにじみ出る番組放送15周年!

笑福亭鶴瓶Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔がMCを務めるTBS系で放送中のトーク番組「A-Studio+」(金曜午後11:00)。2009年4月の番組スタートから放送15周年を迎え、生見愛瑠をゲストに迎える本日4月5日放送分からは16年目に突入する。この大きな節目を前に、今年でMCとしてタッグを組んで5年目となる鶴瓶と藤ヶ谷が取材会に出席した。

「A-Studio+」は、「Actor(男優)」「Actress(女優)」「Artist(アーティスト)」「Athlete(運動選手・アスリート)」で注目の人、旬の人の素顔に迫るトーク番組。通常、ゲストを迎える多くの番組は、スタッフが事前にゲストと打ち合わせを行い、トーク内容(台本)を構成しているが、「A-Studio+」はダブルMCの鶴瓶と藤ヶ谷が、それぞれゲストについて自ら事前取材を敢行。スタジオ収録は2人がゲストと事前打ち合わせなし、トーク台本なしで行う。また、MCの事前取材の模様が、取材相手の人となりや、和気あいあいとした取材の雰囲気を伝える温かい写真で紹介されることも番組の大きな特徴であり、魅力となっている。

鶴瓶は「本当に15年、あっという間。『15年続く番組ってあまりない』と言われるんですが、自然とこうなってきたっていうか。そういう感じですよね」と15周年を迎えた感想を語り、「僕は割と長い番組が多いんですよ。26年続いている『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK総合)とか。だから、15年が通過点であってほしいですね。(こうして取材会をしても)『ありがとうございました』言うて、終わる番組もありますからね(笑)」と、今後も番組が続いていくことを願う。

藤ヶ谷は「僕は2020年から参加させてもらって5年目に入ります。自分も参加させていただいた時は、いつまでかと全然聞いていなかったので、これだけ長く続けさせていただけているのはすごくうれしいですし、毎週目の前で、ベーさん(鶴瓶)の人間力を学ばせていただいています」と鶴瓶の存在の大きさについて触れると、鶴瓶は、「怖いですね。(番組を藤ヶ谷に)乗っ取られるかと思うこともありますけど、お上手な方なんで。ファンもたくさんいて、この番組も、たぶんキスマイ(Kis-My-Ft2)のファンもずっと見てくれていますからね。本当にありがたいです。(コンビを組んで)あっという間に4年が過ぎましたが、この番組はカンペがないので、僕が取材していることをふと忘れてしまった時に、スッと自然に助けてくれることがあったりして、頼りにしています」と藤ヶ谷のMCとしての成長ぶりを称賛。

一方、鶴瓶のMCについて藤ヶ谷は、「ラフ感がすてきだなと思います。一緒に取材をさせていただくことも多いのですが、べーさんは、自然と『このことを聞かなきゃ』というより、たわいない話から、本題にグッと入っていく姿をよく拝見させていただいていて、ベーさんのキャリアとかつながり、人間力ですかね。それがすごいなと思います」と、鶴瓶の自然な取材アプローチと、ゲストとの心の距離を縮める能力に敬意を表す。

その取材手法に関して、鶴瓶は「例えばゲストについて、その人の関連の人の前に座ってすぐに、ゲストのことを聞くというのもおかしいから。その人のことをまず聞かないと。それは一般の方でも、芸能界の方でも。そういう意味では、違うとこから入った方が話を聞きやすい。それに、ゲストの方も、自分の知り合いと俺がしゃべるということを喜ぶんですよ」と、取材で大切にしているポイントを告白。

番組の今後について質問が及ぶと、鶴瓶は「目標がないことがいいんです。スーッと続いていくのがいいんです。目標を持ってどうこうするというよりもね。やらなあかんことを着実にやっていくっていうか、毎日のことをやっていくっていうか。『A-Studio+』のやらなあかんことをね」と、目標を定めるよりも毎日コツコツと番組作りに取り組むことの大切さを強調した。

そこで、鶴瓶がゲストについて書き記したメモ書きの資料を公開すると、それを見た藤ヶ谷は驚きつつも、その取り組みに感嘆した。自身がMCを務めるにあたっては、「この番組に参加するまで、MCの経験も全くなかったですし、最初の頃は、ゲストの方、友人の方から聞いた話をできるだけたくさん言わないと、とか思っていたのですが、捨てていく勇気みたいなのが必要だなということをすごく感じていて。“この取材、こんなにしました”合戦になっちゃうのもおかしいので、最初の頃は捨てていく勇気が必要だったことを覚えています」と回顧。

鶴瓶は「だからこのメモは、これだけやりましたという意味ではなく、やっぱり、自分の記憶の中にこれだけあるということが大事だし、どのゲストにもやっているということが大事で、何年間たったからやめようとか、そんなのはないんですよ。早くこんなんやめたいですよ(笑)」と熱意とともに、その負担の大きさも吐露。「でも、ゲストの過去の作品までしっかりチェックすることで、そのゲストの方も喜ばれるので、やめられないんですよ…」とコメント。

これに、藤ヶ谷は「(鶴瓶の発言は)『やりたい!』ってことですから」とフォローしつつ、「でも本当に僕も、例えばライブや舞台、映画とかで頭がごちゃごちゃした時に、ちょっとサボるか、サボって早く寝るか…という思いが頭をよぎるんですが、自分がゲストの時にしっかり取材をしていただけて、親孝行や友達孝行ができたし、べーさんはこれをずっとやられてるんだなって思うと、ここで負けちゃいけないなって、僕も思いますね」と、鶴瓶と同様にゲストを迎える上での準備の大切さを述べた。

ここで、藤ヶ谷が「僕、こうしてべーさんとご一緒するようになってから、テレビやCM、ラジオとかで、べーさんのことを見たり聞いたりすると、本当に長生きしてほしいなって思うんです」と“鶴瓶愛”たっぷりに伝えると、鶴瓶が「そればっかり言ってくる。そんなん言われると、“あんだけ言うてたのにぽっくりいかはった”みたいなことになるから、やめて(笑)」と返し、「長生きとか言うよりも、この番組はほんまにやめたい…いや、やめたくはないんですよ。続けたいし。スタッフもしつこい人がいっぱいいるしね。世話焼きが多い」とスタッフについても言及。

すると、藤ヶ谷も「僕もそれは感じていて。スタッフさんがやっぱり、汗水垂らしてるというか、自分の足で情報を集めているところが、この番組の長く続く秘訣(ひけつ)とか、愛される秘訣なのかなって。ネットで調べて、こうやって書いてあったんで…っていうことをまったくしない」と明かし、スタッフの番組作りにおける徹底した取材と真摯(しんし)な姿勢に感心。鶴瓶も「それをゲスト一人一人にやってんねんから、ネットでパッと見てとか、そんなんないから。そういう意味ではすごいです。伝わりますよね」とうなずいた。

さらに、4年間MCを務める中で、学んだことを問われた藤ヶ谷は、「MCを始めた頃は、よくベーさんから収録終わりに電話をいただいて。僕は『もう少しこうした方がいいとかありますか?』とアドバイスを求めていたのですが、べーさんは『いや、お前には何もない』『お前は自然体のところがええんや』と言ってくださっていた」と振り返り、鶴瓶は「ほんまにそうなんよ。この番組は自然な空気で流していくのが難しいんですが、それが最初からできていたから、もう言うことはないという気持ちだった」と、藤ヶ谷の対応力の高さを評価する。

藤ヶ谷は「しゃべるのがうまい人にもいろんなパターンがあると思うんですが、自分はあまりしゃべるというよりも、聞く力をつけたいなと思って。聞く力をすごく意識するようになりました。べーさんの前だと、皆さん心を開いて、収録終わりに『テレビでこんなことを言ったのは初めて』と言う方もいて。(鶴瓶は)人としても素晴らしいし、尊敬していますし、自分もそうありたい。『あの人はしゃべりがうまいね』というよりは、『藤ヶ谷くんの前だと結構しゃべっちゃったな』とか、そういうふうに少しでもお手伝いできればというのは、すごく意識はしてますね」と、鶴瓶が持つ自然な雰囲気が、ゲストが心を開きやすい環境を生み出していると感じている様子で、自身もそれに近づいていきたいと力を込めた。

そんな藤ヶ谷の絶賛ぶりに対し、鶴瓶が「ここを聞きたいなと思う時、藤ヶ谷がふと話を振ってくれる。お互いの空気は分かっているので、『あれ、言ってないんちゃうか?』みたいになったらすっと出てくる」と、自身も藤ヶ谷に助けられていることを伝えると、藤ヶ谷は「確かに。ご夫婦で『あれ、あれ』って言って、『これね』って分かる、みたいなのがあるじゃないですか。それが分かるというか。収録の時にべーさんが言ってる、『ほら、あれ』で、『ご家族のことですか?』『友人の方ですか?』とか、年々分かってきている気がします」と、あうんの呼吸があるとコメント。鶴瓶は「動物を飼うみたいにいうなや!(笑)」とツッコみつつ、本当に自身が言いたいことを藤ヶ谷が理解していると納得していた。

「A-Studio+」での共演が縁となり、Kis-My-Ft2のコンサートの観覧に行ったという鶴瓶が、「(ライブでの藤ヶ谷が)カッコよかった」と言うと、藤ヶ谷は「ライブの時にカッコよかったと何度も言われて、普段は駄目なのかな」と照れつつ、「大切なメンバーにべーさんを会わせることができたのがうれしかった」と告白。メンバーの印象について、鶴瓶が「きっちりしてたな、気を使わなくていいのに…」とその大人な対応に驚いたようで、藤ヶ谷は「意外に…意外にって言い方もあれですが、僕らポップな印象があるかもしれませんが、ちゃんとしているかもしれないです」と胸を張っていた。

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