約半数の共働き世帯が「家計が苦しい」と回答。理想の年収は1000万円

リアルな世帯年収・個人年収の平均金額も紹介

一昔前までの日本では片働き世帯(専業主婦世帯)が一般的でしたが、現代においては共働き世帯のほうが主流になりつつあります。

共働きをすれば、その分収入も増えるため「生活が安泰になる」と思うかもしれませんが、実際のところ「共働きでも家計が苦しい」と感じている世帯は多いようです。

本記事では、2024年3月19日に公開された最新調査データをもとに、共働き世帯の家計実態について紹介していきます。

記事の後半ではリアルな世帯年収・個人年収の平均金額も紹介しているので、ご自身や世帯の年収と比較してみてください。

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46.1%の共働き夫婦が「家計が苦しい」と感じている

株式会社マイナビは、20~59歳の正社員を対象に「仕事・私生活の意識調査」を実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査期間:2023年11月17日(金)~11月20日(月)
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:20~59歳の正社員の男女
  • 有効回答数:3000件
  • リリース公開日:2024年3月19日

上記調査の結果、46.1%の共働き夫婦が「家計が苦しい」と感じていることがわかりました。

家計が苦しいと感じる割合

20歳代〜50歳代の正社員男女の51.6%が「家計が苦しい」と回答しており、多くの世帯で生活が困窮している現状がみてとれます。

また、家計が苦しいと回答した割合においては、「片働き世帯」が57.5%、「共働き世帯」が46.1%となっており、どちらの世帯でも約半数の世帯が家計の苦しさを訴えています。

なお、家計が苦しいと回答した世帯の平均世帯年収は711万9000円、苦しくないと回答した世帯の平均世帯年収は878万2000円と166万3000円の差となりました。

家計が苦しいと回答した世帯の平均世帯年収

生活が苦しい人の理想の世帯年収は「平均1034万4000円」となっていますが、果たして理想年収を達成している世帯はどのくらいいるのでしょうか。

次章にて、統計データから実態を見ていきましょう。

世帯年収の平均はいくら?世帯年収1000万円達成割合も

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、世帯年収の平均は545万7000円、中央値は423万円となっています。

日本の世帯年収

平均値は大きな数値があった場合に偏る傾向にあるため、一般的な世帯貯蓄額の実態を知りたい方は中央値を参考にすることをおすすめします。

世帯年収の中央値は「423万円」となっており、家計が苦しいと回答した世帯の平均世帯年収は「711万9000円」を大きく下回っています。

また、理想の世帯年収である1000万円を達成している割合は、全体の12.6%であり、ほんの一握りの世帯しか達成できていないことがうかがえます。

共働き世帯における「私生活と仕事」の満足度

株式会社マイナビの同調査によると、共働き世帯において「私生活と仕事の両方の満足度が最も高い個人年収」は、男性で900万円台、女性で400万円台となりました。

私生活と仕事の両方の満足度が最も高い個人年収

また、男性の個人年収「400万円台」と女性の個人年収「300万円台」は、私生活の満足度が男性「1000万円以上」と近くなっていることもわかります。

上記から私生活の満足度は、年収が高ければ高いほど水準が高まるわけではなく、一定の年収ラインまでくるとそこまで満足度に変化がなくなるとうかがえます。

一方で、仕事への満足度は、年収が高いほどキャリアの充実や自己効力感に影響を与えることが考えられます。

上記をふまえ、次章にて日本の個人年収の平均額を確認していきましょう。

【男女別】日本のリアルな平均年収はいくら?

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、年齢階層別の平均年収は下記のとおりです。

日本の平均年収(年齢階層別)

男性の平均年収は年齢が上がるにつれて上昇傾向にありますが、私生活・仕事ともに満足度が高い900万円にはどの年代も達成できていません。

同様に、女性の場合は全体の平均年収が約300万円台であり、こちらの私生活・仕事ともに満足度が高い400万円台より低い水準となっています。

このことから、私生活・仕事ともに満足度を高くするためには、「平均年収以上」の収入が必要になることがみてとれます。

一方で、私生活の満足度が比較的高い個人年収、男性で「400万円台」女性で「300万円台」は共に25歳以降から達成できており、平均年収以上あれば私生活の満足度は高い傾向にあるとうかがえます。

転職も視野にキャリアプランを検討しよう

本記事では、実際の調査データをもとに、共働き世帯の家計実態について紹介していました。

約半数の共働き正社員が「家計が苦しい」と感じていることがわかりました。

また、年収が高ければ高いほど仕事への充実感も高まる傾向にあり、「私生活と仕事の両方の満足度が最も高い個人年収」は、男性で900万円台、女性で400万円台となっています。

現在の収入に不満や家計が苦しいと感じる場合、収入を上げることで家計の改善とともに、仕事への充実度も高まる可能性があります。

「老後資金」や「教育資金」など将来的な資金計画も見据え、私生活・仕事共に充実できるようなキャリアを築くために、転職も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

  • 株式会社マイナビ「マイナビ、「【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年(2023年実績)」を発表」
  • 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
  • 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

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