大成建設/執務空間の新設計手法開発、働く人のありたい姿実現へ

大成建設は4日、オフィスなどに勤務する一人一人の仕事でのありたい姿を創出する執務空間の設計手法「ナッジデザイン」を開発したと発表した。ワークショップ(WS)による社員同士の意見交換などを経て、設計段階でありたい姿実現につながるさまざまな行動にもたらす心理学的な効果を考慮。それらと関連付けた執務空間のスペースやレイアウトなどをセットにしてメニュー化した。顧客にはメニューの中から社員のニーズに合致した項目を選択、アレンジしてもらい最適な執務空間の実現を後押しする。
ナッジデザインは執務空間の新しい設計手法として、京都工芸繊維大学の仲隆介名誉教授と東洋大学の戸梶亜紀彦教授の監修を受け開発した。リモートワークの普及で働き方の選択肢が増える中、多様化する職場環境のニーズに対応。より創造性や生産性の高いオフィス環境を創出し企業価値向上に貢献する狙いがある。
具体的な設計や効果検証の手順は▽WSなどでありたい姿を抽出▽ありたい姿につながる執務空間での光景を想定▽その光景を生み出す心理学的効果と直結する建築空間をメニューから選定▽選定した建築空間をアレンジしてワークプレイスを設計▽竣工後・供用後はKPI(重要業績評価指標)に基づく効果検証-の5段階で構成。
大成建設はKPIの効果検証を導入することで、ナッジデザインを自社で設計・施工を手掛ける新築物件に限らず既設物件の改修などにも活用できると見込む。さらに病院や学校といった他用途の建築物にも応用できると見ている。

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