山形県/県管理道路の3D点群データPF構築へ、建設業の業務効率化支援

山形県は建設産業の業務効率を高める支援策として、「道路空間3次元点群データプラットフォーム(PF)」を構築する。総延長が2800キロに達する県管理舗装道路の3D点群データをインターネットで無料公開する環境を整える方針。延長約1455キロ分のデータ取得、既に保有しているデータの仕様調整などを任せる業務を4日に発注。PFは年度内の公開を目指している。設計測量業務から工事、日常の維持管理まで幅広い場面での利活用を狙う。
4日に発注したのは「山形県道路空間3次元点群データプラットフォーム導入業務委託」。公募型プロポーザルで委託先を選定する。提案上限額は8100万円(税込み)に設定した。参加申請を15日まで県土整備部道路保全課管理調整担当への郵送か持参で受け付ける。企画提案のプレゼンテーションを経て5月下旬までに契約する。履行期限は2025年3月31日に設定している。
県は2021、22年度に約1400キロ分の道路空間3D点群データを取得していた。今回発注した業務と合わせ県管理舗装道路(のり面部の特定土工構造物点検箇所含む)のデータ取得が完了する。既存・新規取得の点群データで密度などの仕様を調整。公開後のサポート体制構築や利用促進計画の立案、導入後5カ年のランニングコスト試算も委託する業務に含める。
点群データの密度は道路部で1平方メートル当たり400点、のり面部で同100点。要求精度は道路部で水平位置0・15メートル以内、標高0・2メートル以内に設定している。県は2800キロに達する県管理舗装道路の点群データをインターネットで自由に取得でき、利用可能な環境を整える。構築するPFを建設DXを推進する基盤の一つに位置付け、業界各社の業務効率化や生産性向上を後押しする考えだ。

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