台湾地震M7.2と日本列島北から南まで大揺れの「不気味な共通項」

台湾東部・花蓮市で倒壊した建物=3日(中央通信社=共同)

犠牲が増えないことを祈るばかりだ。3日、台湾東部の花蓮県沖およそ25キロを震源とするマグニチュード7.2の地震が発生。台湾の消防当局によると、震度6強を観測した花蓮県で9人が死亡し、各地で1011人が負傷した。倒壊するなどの被害が確認されている建物は173棟に上るという。

日本でも沖縄県与那国島で震度4を観測。気象庁は宮古島・八重山地方と沖縄本島地方に一時、津波警報を発表した。与那国島と宮古島で最大30センチ、石垣島で20センチの津波を観測した。

年初に襲った能登半島地震を皮切りに、今年に入って日本列島は北から南まで揺れに揺れている。過去1カ月間だけでも、震度4以上の地震があちこちで発生している状況だ(別表)。

台湾地震も日本で頻発している地震と関連があるのか。立命館大環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)がこう言う。

「西日本が乗るユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界は、千葉から南西諸島までつながっており、南海トラフや南西諸島海溝(琉球海溝)を形成しています。東日本は北米プレートに乗っています。フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界の北東側で地震が発生すれば千葉を中心に揺れ、南西側で発生すれば沖縄や台湾が揺れる。発生場所は違えどメカニズムは同じです。日本列島の東側から太平洋プレートに押し込まれた北米プレートやフィリピン海プレートによって、ユーラシアプレートとの境界付近で地震が発生し、北は北海道から、南は九州・沖縄、台湾まで揺れているのです」

続く東日本大震災の“余震”

現在は地震が起きやすい時期にあたるという。

「2011年の東日本大震災の“余震”が続いています。過去にも1923年の関東大震災の余震で、48年ごろまで日本各地で大規模地震が頻発していました。プレート境界の北端に位置する北方4島から南端に近い沖縄や先島諸島まで、3.11の地震で生じたひずみが少しずつ補正されている状況です。列島の北から南まで、巨大地震のリスクをはらんでいるといえます」(高橋学氏)

日本列島、どこにいても大地震に遭う恐れがあるということだ。注意してもし過ぎることはない。

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