大谷は賭博問題「白でも黒でも」100億円がパー? イメージ悪化でスポンサー撤退の現実味

大谷は、米資本のスポンサーとの契約もいくつかあるが…(C)ロイター/USA TODAY Sports

いまだ波紋を広げているドジャース大谷翔平(29)の元通訳・水原一平氏(39)による賭博醜聞。大谷は「被害者」という立場を取っているが、調査の進展が待たれる。

今回の騒動で大谷が白でも黒でも華麗な経歴に傷が付き、今後のキャリアの見通しに影響が出る可能性は否めない。世界屈指の金融メディアまでこれを指摘している。そうなると、大谷自身のスポンサー契約にも影響しないとも限らない。(【前編】からつづく)

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大谷は現在、15社前後のスポンサーと個人契約を結んでいる。米ロサンゼルス・タイムズのビル・シャイキン記者は先日、大谷の今年の副収入は6500万ドル(約98億円)になると伝えた。ANAやトーヨータイヤなど、新たにドジャースと契約した日本企業もいくつかある。

今回の騒動を受けて、大谷のスポンサー企業に今後の契約について尋ねると、大手寝具メーカーの西川は「今回の騒動に関係なく、変わらず大谷選手の睡眠をサポートしていきます」(広報担当)と回答。

三菱UFJ銀行も、「現時点で契約を変更する予定はありません。すでにドジャースのユニホームを着た宣伝物の撮影も済ませており、今後順次展開していく予定です」(広報部)とした上で、「今後については状況を見守りたい」とした。「ノーコメント」とする企業も複数あった。

経済学者で関大名誉教授の宮本勝浩氏は、「日本の企業は基本的に大谷選手が罪に問われない限り、スポンサーを降りることはないでしょう」と、こう話す。

「スポンサー企業は大谷選手が賭博や違法送金に関与していた、という証拠が出るか出ないかを、様子見しているとは思います。とはいえ、広告主や消費者の需要が非常に高い大谷選手とのスポンサー契約は、簡単に切れるものではありません。何かがあったときに困るからといって、途中解約したり、来春の契約満了時に更新しない、という選択をしてしまうと、大谷選手が潔白だったときに再契約を結ぶのは難しい。

その間に、同業他社に取られかねませんからね。一方で、米国資本の企業の考え方は読み切れない部分があります。米メディアをチェックしていると、大谷選手が白か黒かにかかわらず、大谷選手に対する論調は個々で違いがある。今回の捜査は簡単には結論が出ず、長期化する可能性もありますし、企業ごとに騒動の捉え方も違うかもしれない。少なくとも、日米ともに新規のスポンサー契約は自粛せざるを得ないでしょう。かくいう私も、今の状況では大谷選手に関する経済効果を計算しづらい状況です。さらに言えば、大谷選手の今後のためにも、水原氏はオモテに出てきて、きちんと話した方がいいと思いますね」

大谷はニューバランスなど、米国資本のスポンサーとの契約もいくつかある。今後の展開次第では水原氏に盗まれた7億円どころではないカネがパーにならないとも限らない──。

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