柱稽古編まで待てない…アニメ『鬼滅の刃』思い出すだけで泣ける「涙腺崩壊シーン」の数々

『鬼滅の刃 柱稽古編』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

幅広い層からの人気を集め、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が歴代最高の興行収入を記録するなど、社会現象にもなったアニメ『鬼滅の刃』シリーズ。第4期となるアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』は5月12日午後11時15分よりフジテレビ系で放送開始予定となっている。また、2月2日からは、『刀鍛冶の里編』の最終話と『柱稽古編』の第1話が『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』として劇場公開されている。

2019年にアニメ放送が始まって以降、『竈門炭治郎 立志編』、2020年に公開された『劇場版 無限列車編』、そして『遊郭編』『刀鍛冶の里編』と、主人公の竈門炭治郎の成長とともに描かれてきた『鬼滅の刃』の世界。物語がラストに向かって大きく動き始める『柱稽古編』にも期待が集まるところだ。

『鬼滅の刃』は、『週刊少年ジャンプ』で連載された吾峠呼世晴さんによる漫画作品だが、たくさんの人があっという間に鬼の餌食となったり、仲間であっても容赦なく命を落としたりという凄惨な場面が強い印象を残す。しかし、その一方で、主人公の炭治郎の心の優しさが他者の心を動かすシーンも、この作品の大きな魅力の一つとなっている。

そこで今回は、これまでアニメで描かれた『鬼滅の刃』の中から、今思い出しても泣けてくる「涙腺崩壊シーン」を振り返りたい。

■特殊エンディングで演出された神回

まずは、『竈門炭治郎 立志編』の那田蜘蛛山での家族の絆を感じるシーン。

第1話で家が鬼によって襲撃され、炭治郎は家族の中で唯一生き残った妹・禰󠄀豆子と2人きりで生きていくこととなる。

那田蜘蛛山で下弦の伍・累と交戦し、絶体絶命のピンチになった炭治郎が走馬灯のように思い出したのは、父・炭十郎が竈門家に代々伝わる厄払いの神楽を踊る様子だった。このときの呼吸の使い方を応用し、炭治郎は「ヒノカミ神楽」を舞う。日輪刀で舞う鮮やかな戦闘シーンの作画はあまりにも美麗だった。

一方その頃、禰󠄀豆子も母・葵枝の幻想を見て、「お兄ちゃんを助けるの 今の禰󠄀豆子ならできる 頑張って」と語りかけられたことをきっかけに、自らの血を利用して鬼の細胞を燃やせる血鬼術「爆血」を使えるようになる。

兄妹のお互いを思いやる心と家族の絆が絶望的な戦いに活路を見出した。心の中にはいつも家族の優しさがあるということが感じられる名シーンだ。この19話「ヒノカミ」は、中川奈美さんの歌う『竈門炭治郎のうた』をBGMに、家族の回想シーンと戦闘シーンが描かれるという特殊エンディングの演出が「神回」と話題となった。『鬼滅の刃』のアニメがここまでヒットしたのもこの回の影響が大きいだろう。

このほかにも『鬼滅の刃』では随所で家族の幻想が兄妹を救ってくれることがあり。家族の優しさにホロリときてしまうシーンはたくさんある。

3期『刀鍛冶の里編』のラストでは、ついに禰󠄀豆子が太陽を克服する。が、ここまでの道のりには炭治郎の悲しい選択があった。

それは逃亡する上弦の肆・半天狗を目の前にして、目の前で苦しむ禰󠄀豆子を置いて一般人を助けにいくというもの。このとき禰󠄀豆子は日の光を浴び、苦しみながらも自らの命を顧みず、炭治郎を蹴りと笑顔で送り出す。

戦闘後、禰󠄀豆子を犠牲にしてしまったことを涙する炭治郎の前に、日光を浴びながらも元気そうに「おはよう」と口にする禰󠄀豆子の奇跡のような姿があった。これまでの数えきれない悲しみや苦労が報われるようなこのシーンに、涙が抑えられなかったという視聴者は多いはず。

■映画館内に嗚咽が鳴り響いた煉獄の言葉

最後は、もはや『鬼滅の刃』人気の代名詞ともなっている『劇場版 無限列車編』での、煉獄杏寿郎が炭治郎を激励するシーンだ。

戦いのさなかで上弦の参・猗窩座に鬼になるように何度も勧誘されるも、最後まで乗客200人全員の命を守り抜いた煉獄は、人間として誇り高く戦ったうえで炭治郎に生きざまを説く。

その中でも「心を燃やせ」という言葉は、これ以降の炭治郎の心の支えとなるが、同時に多くの観客の心を熱くさせた。

彼が柱の中では初の犠牲者となったことはかなり衝撃的だったものの、何よりこのシーンには感動の涙を禁じ得ない。

この映画は、全世界で約517億円という歴史的興行収入を記録し、日本の映画の興行収入が歴代1位の記録を更新したことでも大きな話題となった。

『鬼滅の刃』で涙腺崩壊するほど泣けるシーンは枚挙にいとまがない。絶望を感じさせるハードな戦いと、炭治郎たち登場人物が醸し出す明るい希望というコントラストが、その感動を生み出しているのは間違いないだろう。

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