戦争は“核”から“見えない攻撃”の時代へ…各国で開発が進むレーザー兵器の現状

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、今後の戦争のあり方を一変する可能性を秘めた“新型レーザー兵器”について取り上げました。

◆レーザー兵器が戦争の形を変える!?

イギリスは、ミサイルや航空機を迎撃できる新型レーザー兵器の動画を公開。そこにはスコットランドで実施された演習で空中の標的に命中したとされる場面が映っています。イギリス国防省は、このレーザー指向性エネルギー兵器を「ドラゴンファイヤ」と命名。1発あたり約13ドル(約1,900円)で迎撃可能で、現在のミサイル迎撃装置に比べ、多額のコスト節約につながる可能性があるということです。

戦争のあり方を一変させる兵器になる可能性を秘めていると言われる"レーザー兵器”。現在、ウクライナやパレスチナ・イスラエルで多用されているドローン兵器に対抗でき、なおかつコストもかからないと非常に注目されています。

キャスターの堀潤曰く、レーザー兵器の開発は1960年代から進められ、イギリス以外にもアメリカではロッキードマーチン社が2022年に軍に納入。現在実証が重ねられている最中だとか。そして、日本も追随し、川崎重工業が国産のレーザーシステムを開発。昨年、実証実験に成功しています。

総じて堀は、「こうしたものができるといわゆるゲームチェンジャーとなり戦争の形が変わる。ある意味、核兵器による核の抑止力の時代から、"見えない攻撃能力による防衛の時代”に入る」と私見を述べると、元宮崎県知事で元衆議院議員の東国原英夫さんは、その驚くべき進化に「とんでもないことになる」と慄きます。

エッセイストの小島慶子さんは、「これはAI(人工知能)をどう使うかということで、多くの兵器がある時代にどうしたら戦争にならずに済むのかをAIを使いながら(考えていかないといけない)。戦争をしたら終わり、とにかく(戦争が)起きないようにするために知恵を絞ることが大事」と平和を望みます。

「The HEADLINE」編集長の石田健さんは、「新しい兵器が出てくると技術開発だけが進み、それがもたらす弊害や問題が軍事安全保障上の理由であまり公開されない。こうした兵器が開発されることで人道上の大義名分として人的被害が抑えられることが挙げられ、その側面も当然あると思うが、その先にどんなリスクがあるのか、果たしてそのあり方でいいのかは議論しないといけない」と兵器開発における問題点を示唆。

◆堀潤、情報を自ら取りに行く大切さ「知る機会は十分ある」

かつて、戦争は戦闘機や爆弾などを駆使して行われていましたが、今やその形は変貌。いかにして開戦したのかさえも、分かりづらい状況です。堀はそんな現代の戦争様式を案じつつ、「レーザーに関しては(日本の)防衛装備庁のYouTubeチャンネルで公開されている。国はこうした情報を今、見てくれという形でSNSを使って積極的に公開し、(我々は)知る機会は十分ある。私たちはこうした兵器開発により敏感にならないと、何も知らないままさまざまなことが決定している可能性もある」と注意を促していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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