尾道・千光寺山ロープウェイ 50万人超す 23年度乗客数 開業以来最多

 広島県尾道市の千光寺山ロープウェイの2023年度の乗客数は50万3216人と初めて50万人を超え、1957年の開業以来最多だった。23年5月の新型コロナウイルスの5類移行に加え、22年春に完成した新展望台が追い風となった。

 ロープウェイは全長365メートル。山麓駅(長江)と千光寺公園のある山頂駅(東土堂町)を約3分で結ぶ。乗客数のこれまでの最多は17年度の48万8953人。20、21年度はコロナ禍で20万人台に半減し、22年度は48万人台に回復していた。

 指定管理者のおのみちバスによると、23年度は観光客のほか、外出を控えていた地元住民たちが同公園を多く訪れたとみられる。外国人も大幅に増えたという。

 市は22年3月、山頂駅に接続する千光寺頂上展望台PEAK(ピーク)を建設。尾道水道や瀬戸内海の島々を一望できるスポットとして知名度を高めている。同4月に片道料金を320円から500円に値上げしたが、大きな影響はなかった。

 同公園への車の来訪も増えている。尾道観光協会が管理する駐車場の利用台数は23年度、6万9308台。過去最多だった22年度の8万558台と、17年度の7万943台に次ぐ多さだ。

 市観光課の山本淳課長は「イベント時に運行時間を延長するなどロープウェイの利便性を高め、さらなる集客につなげたい」としている。

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