山下美夢有の後輩!? 17歳のアマ松井梨緒が5位発進、サインはすでに“プロ級”の高校3年生が堂々のデビュー

5位タイで初日を終えたアマチュアの松井梨緒(撮影:福田文平)

<YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament 初日◇4日◇琵琶湖カントリークラブ 栗東・三上コース(滋賀県)◇6482ヤード(パー72)>

奈良育英高3年の松井梨緒が3バーディ・1ボギーの「70」で回り、首位と2打差の5位と上々のスタートを切った。「プロの試合に出るのは初めて。最初から最後までめちゃくちゃ緊張して、ずっと口から胃が飛び出しそうでした。おなかも2日前くらいから痛かったんです」。17歳のアマチュアは屈託のない笑顔で話したが、その言葉を額面通りに受け取るわけにはいかない。

スタートホールの10番パー5でいきなりバーディを奪い、琵琶湖と同じ形をした池が特徴の18番パー4で2つ目のバーディ。後半はパーを重ね、8番パー4で唯一のボギーをたたいたが、直後の9番パー4は残り43ヤードの2打目を58度のウェッジでピンそば1.5メートルにつけ、バウンスバックのバーディ締め。デビュー戦とは思えない落ち着いたプレーを披露し、見せ場もしっかり心得ていた。

2年連続で年間女王に輝いた山下美夢有は憧れであり、目標とする選手だ。山下の妹で、ツアーでキャディを務めたこともある蘭さんは同じ高校のゴルフ部の1年後輩。その縁で1年ほど前に他の部員とともに山下と一緒にラウンドする機会に恵まれた。「クラブ体験で山下プロが来てくださったんです。一緒に回れたのは3、4ホールほどだったけど、すべてが違いました」。出身は山下と同じ大阪・寝屋川市。「中学は山下プロが寝屋川市立第七中で、私が第六中。担任の先生も偶然同じだったんです」と自然と声のトーンは上がった。

女王のオーラを身近で感じ、進むべき道と目標は決まった。「今年、プロテストを受けます」。今大会出場選手の記念サインパネルには「去年考えました」というサインを手慣れた様子でスラスラ。アマチュアのサインは楷書が普通だが、「3タイプくらい考えて決めました」とケラケラと笑った自信作だ。

プレーも度胸も満点。明るいキャラクターも実にプロ向き。念押しだが、この17歳は緊張とは無縁。混戦の上位争いのキーマンとなる可能性は十分に秘めている。(文・臼杵孝志)

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