「すべて自分の責任」上久保実咲が悪夢の失格で学んだこと

ルーキー・上久保実咲は81位タイから巻き返しを狙う(撮影:福田文平)

<YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament 初日◇4日◇琵琶湖カントリー倶楽部 栗東・三上コース(滋賀県)◇6482ヤード・パー72>

18歳の高卒ルーキー、上久保実咲は仕切り直しのデビュー戦で3バーディ・4ボギー・1ダブルボギーの「75」と崩れ、81位タイと出遅れた。「小さなミスが多かった。リカバリーもうまくできなかった」。口をついて出るのは当然ながら反省の弁。だが、暗さはない。背筋を伸ばし、視線は前を向く。2週間前の悪夢のような失格はしっかり自分の中で消化し、泣きじゃくっていた姿はもうなかった。

「すべては自分の責任です。もうアマチュアでもジュニアでもない。社会人として自分で確認すべきことでした」

主催者推薦で出場した3月のレギュラーツアー「アクサレディス」がプロデビュー戦となるはずだった。だが、初陣で大きなミスを犯した。第2ラウンド中に昨年のヤーデージブックを第1ラウンドから使用していたことが同伴競技者のキャディの指摘で判明し、これまで認められていたグリーンの等高線、高低差など詳細な資料の記載を今季から禁止した日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のローカルルール13項「グリーンリーディング資料(ヤーデージブック)の制限」に複数回違反したため、失格となった。「79」で106位だった初日の成績は抹消され、2日目の出場人数は108人から107人と訂正された。

練習ラウンドから使用していた問題のヤーデージブックは自分のものではない。だが、「認識不足でした。ご迷惑、ご心配をかけて本当に申し訳ないと思っています」と善意で譲ってくれた相手の心中をおもんぱかった。出場試合数だけがカウントされた幻のプロデビュー戦。苦い経験を肥やしに18歳はプロフェッショナルとなった。(文・臼杵孝志)

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