台湾地震、ビル解体に着手 検察、強度不足視野に調査

解体作業が始まった、台湾東部沖地震で大きく傾いた花蓮市内のマンション「天王星大楼」=5日(共同)

 【花蓮共同】台湾当局は5日、台湾東部沖地震で大きく傾き住民1人が死亡した花蓮県花蓮市内のマンションの解体作業を始めた。検察当局は強度不足の疑いを視野に証拠採取を実施、調査している。

 周囲のビルのほとんどが倒壊を免れていることなどから、専門家らからは強度不足の可能性を指摘する声が出ている。

 花蓮県の徐榛蔚県長はマンション前で「解体作業は約2週間で終わる見込みだ」と述べた。現場には重機数台が配備され、5日午前にうち1台が窓ガラス部分を壊すなどした。

 マンションは市中心部にある9階建ての「天王星大楼」。低層階がつぶれて傾き、住民らが閉じ込められ、女性1人が死亡した。

 台湾の地震では一部の建物が崩壊して大きな被害を出すケースが続いている。同マンションは築約40年で、2018年の地震の際も壁や床が損壊し補修していた。

台湾東部沖地震で大きく傾いた花蓮市内のマンション「天王星大楼」=5日(共同)

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