証取の監督強化を提案、組織形態の変化受け 証券規制の国際団体

Huw Jones

[ロンドン 4日 ロイター] - 世界の証券規制当局から成る証券監督者国際機構(IOSCO)は4日、証券取引所の組織形態が変化するのに伴い自主規制の機能維持にリスクや課題が生じる可能性があるとし、監督当局がリスク抑制に向け証取の監督を強化する方法を提案した。

IOSCOは、過去20年間で証取が上場企業に転換する動きが広がったが、一部は自主規制業務を担い続けていると指摘。また、証取の地理的拡大やデータサービスなどへの多角化も進んだとし、グーグルクラウドやマイクロソフトなどの企業との提携を例に挙げた。

市場の変遷が証取の組織形態の在り方に影響を及ぼしており「新たな利益相反や運営・組織上の相互依存が生じる可能性がある」と指摘。

これが証取の自主規制機能や責務、さらには監督においてリスクや課題をもたらすかもしれないとした。

その上で、監督当局が証取の組織形態を検証し、自主規制業務遂行における独立性やグループを構成する取引所それぞれの管理体制が確保されているか確認するための6つのグッドプラクティス(好ましい方法)を提案した。

また、多国籍取引所グループに関し、監督当局が管轄地域内の活動を適切に監視する必要があるとした。

© ロイター