福島県本宮市と英ケンジントン&チェルシー王室特別区 友好協定を締結 交流発展へ植樹

記念植樹に臨んだ(左から)内堀知事、高松市長、ハッド区長、ウェルズ書記官

 福島県本宮市と英国ケンジントン&チェルシー王室特別区は4日、友好協定を締結した。同区が友好協定を結ぶのは日本の自治体では初めて。2011(平成23)年の東日本大震災発生後、親交を深めてきた両自治体がさらなる関係の発展を誓った。

 市議会議場で行われた締結式では高松義行市長とプリーティ・ハッド区長が友好宣言書を取り交わした。内堀雅雄知事、在日英国大使館のジェシカ・ウェルズ書記官、もとみや国際交流親善大使を務める満山喜郎在英県人会ロンドンしゃくなげ会長(白河市大信出身)らが立ち会った。続いて市内のプリンス・ウィリアムズ・パークで関係者が記念植樹を行い、英国で春を告げる花として親しまれているアーモンドと同区の紋章にあしらわれているエニシダを植えた。

 高松市長は「子どもたちを中心とした市民の交流がさらに深まり、友情が続くことを願う」とあいさつ。ハッド区長は「英国で皆さんを迎えることを楽しみにしている。世代を超えて継続していきたい」と思いを語った。内堀知事は「協定締結を機に本県と英国の関係もさらに強いものにしていきたい」と言葉に力を込めた。両者の橋渡しをしてきた満山会長は「英国に福島庭園が完成してから10年以上がたち、互いの友好協定までつながった。一層、進展させる」と語った。

 同日、ハッド区長らは県庁を訪れ内堀知事と面会した。内堀知事から大堀相馬焼の豆皿が贈られた。

 2012(平成24)年の福島民報社による「復興大使」のロンドン派遣をきっかけに、満山会長、林景一駐英大使(当時)らの働きかけで派遣に合わせて同区内の公園に、復興を願って日本庭園「福島庭園」が開園した。英国のウィリアム王子(現皇太子)が2015年に本宮市を訪問した縁から2017年には市内に「英国庭園」がオープンした。両庭園は姉妹協定を結んでおり、市内の中学生らがこれまで4度訪英するなど交流を深めている。

署名した友好宣言書を手にする高松市長(中央左)とハッド区長(同右)。内堀知事(左から3人目)とウェルズ書記官(右から3人目)が立会人を務めた。右端は満山会長

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