定年退職したら収入が「激減」するので「生活保護」を検討しています。「65歳以上」の生活保護受給者はどのくらいいるのでしょうか?

生活保護はどのような人が受けられるのか?

厚生労働省によると、生活保護は資産や能力などのすべてを活用することを前提とし、以下のような条件の人が受けられる制度です。

__・ただちに活用できる資産を所有していない

・働けない、または働いていても必要な生活費を得られない

・年金や手当などの社会保障給付を活用しても必要な生活費を得られない__

また、親族など扶養義務者からの扶養を受けられる場合は、そちらが優先されます。

以上の条件を満たしてもなお、収入が最低生活費を下回っている場合は、その差額が保護費として支給される仕組みです。

年金をもらっていても生活保護は受給できる?

生活保護と公的年金は目的が異なる制度です。

生活に困窮する人の最低生活の保障と自立の助長を目的とする生活保護に対し、公的年金は高齢による稼得能力の減退を補てんし、老後生活の安定を図ることを目的としています。

そのため、年金を受給しているからといって生活保護の対象にならないということはありません。

年金を受給していても、最低生活費を下回っていれば生活保護の受給対象になります。

例えば、最低生活費が13万円で月6万円の年金を受給しており、ほかに収入がない場合は、差額である7万円が生活保護費として支給されます。

65歳以上の年金受給者はどのくらいいるのか?

内閣府の「高齢社会白書」によると、65歳以上の生活保護受給者の人数と、65歳以上人口に占める生活保護受給者の割合の推移は表1のようになっています。

表1

※内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)」を基に筆者作成

生活保護受給者総数は年々減少傾向にありますが、65歳以上の生活保護受給者と、65歳以上人口に占める生活保護受給者の割合は、ここ数年、横ばいであることが分かります。

65歳以上の生活保護受給者数は105万人

65歳以上の生活保護受給者数は約105万人です。

近年の傾向として受給者数は横ばいで、大きな増加も減少も見られません。

生活保護は、生活に最低限必要な収入を得られない人が受けられる制度であるため、特に受給者の層を気にする必要はありません。

私たちには制度に頼る権利があるため、生活に困ったときは無理をせず、生活保護の受給を検討しましょう。

出典

厚生労働省 生活保護制度
内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向(1)1 就業・所得 (4)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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