離乳食拒否で極限状態→サーティワンが“救世主”に「これじゃなかったら食べてくれない」

サーティワンアイスクリーム【写真:ENCOUNT編集部】

「母親失格と言われた気分」育児に悩んだ時期に

子どもが離乳食を食べてくれず、絶望的な思いをしていたころ、頻繁に通っていたアイスクリーム店の店員に助けられたという投稿がネット上で大きな話題になっている。「絶対に忘れない思い出」と、投稿したたま(@tkotori_hsj)さんに詳しい話を聞いた。

「あの時の店員さん、ありがとうございました。娘は今ではもうやめなさいというほどよく食べる子に育ち、サーティワンのアイスはもちろんHey!Say!JUMPも大好きです。山田くんが宣伝してる新作、早速娘といただきにあがります」

4月1日、たまさんがアイスクリーム店での思い出についてつづると、6.3万件の“いいね!”が殺到。「めちゃくちゃいいお話で幸せな気分になりました」「今離乳食の子育て中なのですがめちゃくちゃ素敵な話に私までもらい泣きしそうです」「天使のような店員さんに出会えて本当によかった!」「週末は久々にサーティワン食べに行こうと思いました!」など多くの声が寄せられた。

2010年のこと。たまさんは、0歳の娘を連れて検診に向かった。

「10か月検診に行った際、赤ちゃんの体重が増えてないことを指摘され、別室に呼ばれて離乳食の紙を渡されたり、離乳食の進み具合を聞かれたりしました。離乳食が全くうまくいかず、何を作っても食べてくれず、ノイローゼになりそうだったときに体重が増えていないと言われ、母親失格と言われた気分になりました。そんな時期の出来事です」

我が子の成長は、個人差があると説明を受けても、常に気になるもの。悩んだたまさんがネット上で「#離乳食」と検索したところ、たどり着いたのが、サーティワンのピンクのスプーンにまつわる情報だった。

「サーティワンのピンクのスプーンが離乳食期の赤ちゃんの口のサイズにちょうどいい」

たまさんはワラにもすがる思いで、近所のサーティワンに向かった。

「近くのサーティワンでアイスを買い、ピンクのスプーンを持ち帰り試してみると普段は食べない離乳食を食べてくれた。偶然かもしれないけど当時の私はこれしかない! とピンクのスプーンに命をかけていた。ピンクのスプーンなくなったらどうしよう、割れたらどうしようと頻繁にサーティワンに通いスプーンをゲットしていた」

そして、ある日、思わぬ出来事が起こった。

「店員さんに『うちの子このスプーンじゃないと離乳食食べないんです』と話したところ、アイスひとつしか頼んでないのにスプーンを10本ぐらいくれた。初めての子育てで当時極限状態だった私は渡された大量のピンクのスプーンに安心感と親切にしてもらった嬉しさで確かその場で泣いた記憶がある。これじゃなかったら食べてくれない、食べなかったらこの子死んでしまうんじゃないかという恐怖心からどこに行くにも必ず持ち歩いてたあのピンクのスプーン。今でもサーティワン見る度にいただいた親切と共に思い出します」

過去の話とはいえ、そのときの記憶は宝物のように大切にしている。

さまざまなフレーバーが楽しめる【写真:写真AC】

「サーティワンから110番通報があり…」 もう一つの思い出

今回、エピソードを公表し、大きな反響となった。「私は最近Hey!Say!JUMPのファンになりました。サーティワンが4月1日に新しいHey!Say!JUMP山田くんのCMを公開してくれたのをきっかけに昔のことを思い出し、なんの気無しにあの投稿をしました。サーティワンにいい思い出があり、それを思い出したからサクッと投稿したのにそれがあんなにたくさん閲覧されとても驚きました」

同店のスプーンは当時からネット上では有名で、離乳食に悩むママたちの間でひそかに重宝されていた。

一方、一部からは「同じようなことを求める人がお店に行くとお店に迷惑がかかる」という指摘もあり、悩んだことを告白。そのような意思はなかったとし、「大好きなサーティワンに迷惑をかけたくないので削除することも考えました」と自戒した。

「今回の出来事は今中学生の娘が赤ちゃんだったころのことなので14、5年前のことです。昔の思い出話として受け取っていただければと思います」と添えた。

アイスクリーム店に何度も通うママの姿。理由は分からなくても、0歳の娘は覚えていた。

4歳になったころ、たまさんの夫と2人で外出していると、一瞬の隙に娘が走り出し、姿が見えなくなってしまった。慌てた夫が近くの交番に駆け込むと、「たった今そこのサーティワンから110番通報があり、3、4歳ぐらいのお嬢さんが1人で入ってきたそうです」と警察官から告げられた。

「当時おそらく、サーティワンが目に入り、アイス食べたくて主人の腕をふりほどき駆け出したんだと思います。主人とお巡りさんが迎えに行くと、多分通報してくれたお客さんのスマホでドラえもんを見て笑ってたそうです。翌日、改めて私と娘でお礼にうかがうと、店員さんが無事で良かったですと言ってくれました」

育児に苦労した時期は、何年たっても記憶から離れないもの。

「育児、特に赤ちゃんを育てるのって本当に大変だと思います。今思えばそんなことないのですが、当時はいちいち『死ぬんじゃないか』と思っていました。ベビーカーでちょっとでも段差でガタンってなったら死ぬんじゃないかとか、離乳食食べなかったら栄養足りなくて死ぬんじゃないかとか、常にそんなことを思っていました。そんなときにサーティワンだけでなく、たくさんの方に親切にしていただきました。いただいた親切は今でも覚えています。今は私たちがお返しをする番だとよく娘とも話しています。今回のポストでも、優しいコメントが多くうれしかったです。よく、今の日本は! とか東京の人は冷たいとか言われますが、私はそんなことないと思っていて、親切な人ちょっと助けてあげようって気持ちの人が多いと思っています」とたまさんは結んだ。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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