新薬早期承認を ALS患者・青木さん講演へ 市川で13日 病との苦闘も

青木さんの講演会の案内チラシ

 全身の筋肉が徐々に動かせなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)が発症し、日々の生活に苦闘しながら国内で承認されていない米国製新薬の早期承認を訴える市川市の青木渉さん(35)がこれまでの活動の歩みなどについて、13日に講演する。会場は同市内の全日警ホールで。入場無料、事前申し込みが必要。

 青木さんは、東京都内で飲食店店長だった2021年10月ごろ、足に違和感を覚え翌春に都内の病院で精密検査を受けて遺伝性ALSと診断された。その後、症状は悪化。昨年4月に米国で迅速承認された新薬「トフェルセン」の投与を自費で受ける環境が国内で整い、知人らで作る「サポーターの会」が医療費の募金活動を始めた。

 昨年9月に最初の投与を受け、毎月1度のペースで定期投与を受けているが、年間3千万円が必要とされる高額な費用が大きな負担となっている。昨年11月には厚生労働省で記者会見し、「ALS患者には時間がないんです」と訴えた。

 13日の講演会は「青木渉サポーターの会」主催、市川市、日本ALS協会後援で行う。青木さん自身がこれまでの歩みを語るとともに、「トフェルセン」の早期承認、米国製の薬の承認が日本で大きく遅れる「ドラッグ・ラグ」の問題を訴える。併せて多くの人の支援に感謝し、「難病になっても希望を持って生きられる社会の実現」への思いを語る。

 青木さんの友人で「サポーターの会」の山田真理子代表は「一個人への支援にとどまらず、本当の健康とは何か、活動を通じ学ばせてもらっている。人と人とのつながりの大切さを実感しており(講演会で)多くの人がそれを感じるきっかけになれば」と訴える。

 講演会は午前11時~正午。定員300人。事前申し込みは案内チラシのQRコードかメール(sho.510.group@gmail.com)で。

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