厚労省技能検定 藤工生が「配管」に合格 県内高校生で初の快挙 藤沢市

ループ配管を手に持つ松永さん

厚生労働省が制度所管する国家資格「技能検定」3級の合格者が先月8日に発表され、藤沢工科高等学校2年生の松永頼徒(らいと)さん(17)が「配管」で合格となった。高校生での同部門合格は県内初となる。

検定では給水配管図に従い支給された材料を持参した道具で組み立てる実技と、専門知識を問われる学科試験を行う。今回は14人が申請し、6人が合格した。検定を実施する神奈川県職業能力開発協会は「普通は就職後に取得する資格で、現場経験のない学生には不利。高校生での取得は快挙だ」と説明する。

問題は2カ月前に公表され、神奈川県管工事協同組合からの指導を受けながら練習を重ねて臨んだ。当日は建物内に水を巡らせる「ループ配管」を2時間20分で組み立てた。合格の基準としては、管内に水を通したとき漏水を起こさないことが求められる。管の長さが1cm合わなければ事故につながる、ミリ単位の作業。「鉄のネジにプラスチック製のネジが潰されてしまうと強度が保てなくなる。上手く接合するか不安だった」と松永さんは振り返る。

中学生の頃から物作りが好きだった松永さんは、同校に入学後、県内唯一の専門課程である「住環境系」に進んだ。「空調や電気配線など、学ぶことのバリエーションが豊富で、やりたいことが見つけられると思った」。学校からの勧めもあって配管を選んだ。合格を受けて「将来は配管工事の現場で働きたい」と話した。

在校生の受検は、藤沢工科高校が開校して初の試みとなる。同校の黒須智紀教諭は「今回のような社会に役立つ技術者を今後も輩出していきたい」と語った。

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