中原桃の会 「産地復活へ」13本植樹 等々力緑地前でPR 川崎市中原区

植樹に参加した園児(上)。松原会長、板橋区長も土入れ

等々力緑地入口の道路脇で3月28日、中原区の木・モモの苗木13本が植樹された。「多摩川桃」の産地だった中原区の歴史を後世に伝える活動を続ける二ヶ領用水・中原桃の会が企画。今年開催される全国都市緑化かわさきフェアを前に、市内外にPRしたい考えだ。

植樹されたモモの木の種類は、伝十郎1本、寒白(関白)3本、源平4本、矢口5本の計13本。植樹式には同会会員の他、区職員、隣接するみやうち保育園の園児ら40人ほどが参加。スコップを手にした園児たちは、「それっ」などと声を発しながら土を入れ、成長を願った。

この道路脇の緑地帯では7年前、モモが区の木に制定されたのを機に24本が植樹された。しかし、土壌が固く根が十分に成長せず、大半が枯れ、現在残っている木は4本のみに。今年、全国都市緑化かわさきフェアが市内で開催されるのを前に、土を入れ替え、水やり体制などを整え、復活を期す植樹となった。約40年にわたりモモの木を管理してきた津脇梅子さん(79)は、「木が次々と枯れてしまい残念な気持ちでいたが、再び植樹ができて念願が叶った。最近は開花時期が早く、順調に成長すれば来年2月頃には咲いてくれるのでは」と期待を込めた。

同会の松原成文会長は「等々力緑地がいずれモモの名所となるよう地域で協力し管理していきたい」と話し、園児を見守った同園の永田ゆかり園長は「これから目の前で成長を見届けられるのが楽しみ。参加した園児の成人式の日に、この地で再会できたら」と思いを馳せた。

「桃まつり」には250人

3月24日には、同会恒例の「桃まつり」が開催され約250人が参加。家庭の庭やベランダでもモモを育ててほしいと、「矢口」「源平」などが抽選で配布された。「産地復活といわれるよう、まちにモモが増えてくれたら」と期待を込めた。

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